Modeling note        file 26
 謹賀新春   2011年   本年もよろしくお願い申し上げます
 YAMAHA YDS 1959 ASAMA RACER仕様     連載4回予定            フルスクラッチ作品

昨年12月末にレーシングマシンとしてはきわめてマイナーなトーハツLDV125cc雁の巣SPECIALを製作しましたが、今回の作品も同じように日本のレースの黎明期の幕開けに貢献したヤマハYDS(この年に発表された市販車はYD−S1の呼称)にしました。ご存知のように1:12スケールでグンゼ産業からメタルキットが10数年前に発売されています。私は1:9派ですが、このグンゼレーサーシリーズは数台こっそりと作ってみました。スケールにこだわり過ぎたのか、どうも今ひとつ乗れない感じから完成とも言えない状態で、ジャンクボックスのなかに可哀想な形で壊れたままになっています。
2004年ごろKIMSハウスのゴットハンド杉田さんが徹底的に手を加えて決定版ともいえるYDSを発表されました。東京で作品も拝見させていただきましたが、まさに1:12スケールとメタルモデル工作の極地だと感じました。ただキットはクラブマンレーサーなのか浅間レーサーとして発表されたものか細かいところで「どっちもあり」と妥協部分があって、杉田さんも製作時にかなり悩まれたようです。
さて、今回1:9でYDSに挑戦するのは、第2回浅間火山レースで圧倒的な強さで優勝を飾ったヤマハ陣営が余裕を持って第3回浅間レースに向けてプレス発表したマシンです。トレールタイヤから更にキャラメルブロックのダートタイヤを履いた凄みをきかせたこれぞ究極の浅間レーサーと思い込んでいるからです。また以前にYA−A125ccを製作した時に集めた資料もあって製作時間も若干短縮できるだろう、125ccを2個足しただけだと思えば簡単に出来るだろう。そんな楽な結果を期待したのが本音かも知れません。

 1月1 日     工作作業の前に  (浅間レーサーの関連資料)      第1回
 浅間火山
 コースの概要図


 













 モーターマガジン社
 オートバイ誌
1959年
 10月記事から転用
左写真 数少ない浅間レースの航空写真(ほぼモトクロスコース)
車番54は1958年出場のYD−A、基本的にこのモデルを発展させ市販可能なYDSとして発表された。

プレス発表されたYDS

グンゼ産業がモデル化したYDではありません。各部分で違いがあるようです。私の想像では第3回浅間では、クラブマンレース併催(レギュレーション問題で)のため急遽、前年出場したYD−Aをベースにロードレーサー、スクランブラー、ロードバーションとレーシングキットパーツと一緒にして発表したのではと・・・・間違いであればゴメンナサイ。何しろカラー写真の資料なども少なく、たくさんのモノクロ写真をつき合わせて調べていくとだんだん分からなくなってきました。ともかく製作モデルは当初から決めていた、下の写真の実戦型の浅間レーサーになってしまいました。
浅間モデル

実戦ではクリップハンドルをバーハンドルに変えているマシンもあります。
グンゼモデルのようにガソリンタンク上部分側面のくぼみがありません。
キックレバーは市販SSとして必要装備として取り付けてありますが、レース出場マシンは殆ど取り外されています。
エアークリーナーはメッシュでは問題が発生したのでしょうか、濾紙型フイルターを使っているマシンもあるようです。
 カースタイリング
  季刊誌



ヤマハ創生期のGKデザインと7人の侍の解説とコンペティションマシンの変遷が掲載されてあるのですが?唯一保存していた理由は、伊藤史朗が優勝したYDカタリナレーサーの写真があったからです
写真左 ホンダRC160
浅間2回連続の敗退で投入された4気筒マシン。まさかの結果に・・・・・・


写真右
モデラーとして恥ずかしい
ジャンクBOXのグンゼのYD
 1月2日   工作開始    まずFタイヤの解決
(1)
約9mmカット

(2)
カットした接着面を補強するために側面にプラ板を貼りつける。
浅間モデルを考えたときに一番の課題はフロントタイヤでした。プロターのモトクロッサーのタイヤの転用しか方法がありません。たまたまCZのキットが残っていたので、そのリムとタイヤを18インチに改造することにしました。
若干乱暴な工作になりますが、リムの一部をカットし接着し18径にしました。接着後、真円を出すために冶具にあわせて固めます。

つぎはタイヤの小径化です。
リムと同様にゴム部分をカッターで切断します。そして接着と・・・そう簡単に合成ゴムはくっつきません。併せて面倒な事態も発生。トレッドの間隔を合わせることも考えるとミリ単位以下のスライス作業を繰り返しました。
接着剤はロックタイト業務用を使いました。
写真左は切断して小径になったタイヤとスポーク張りの穴あけ加工も終了させた前輪です。


写真下
プラ板から切り出したハブとブレーキドラムの素材。前後輪用ですでにスポーク穴と落とし込み加工も終わった状態です。
フロントフォーク

YDSのフロントサスペンションはスプリングコイルは露出していません。工作としてはかえって面倒になります。現在工作段階ですが、アルミロッド、プラパイプ、アルミパイプなど4種類の組合わせで構成する予定です。


年末から「さあ作るぞ」と着手したのですが年末年始は、いろんな用件が多く工作が進まなくて困っています。
   お詫び 年初から事情があって模型つくりを3週間ほど中断していました。やっと取り掛かることができましたが、
図面に書き込んだ細かい数字などが再確認しないといけない始末で、製作のスピードも落ち、
部品もあれこれランダムに作る結果となりました。ご容赦ください。
 2月5日   部品製作のつづき 第2回
フロントフォークASSY

プラロッドに旋盤で穴を明け肉厚05mmを残してカバーを作りました。プラにこだわっているのは塗装が楽という理由だけです。

トップブリッジの溝と4個のネジ穴はバーハンドルやアップハンドル用のもので、ロードレーサー仕様では回転計が取り付けられます。
下ごしらえ2点

左は、前にもご紹介しましたFフェンダー工作の準備です。

右は、排気管の膨張部分で03mmのプラ板を巻いてそれぞれ開口部を貼り合せます。
フロントフエンダーの半完成

YDのF・フエンダーは約160度とほぼ半周近く覆われています。トレールタイヤのトレッドの関係でフエンダーの深さも微妙に見た目で影響しそうです。1・5mm厚のプラ板ですから、かなり思い切って削りこみが出来ました。実車は鉄製メッキ仕上げでかなり大振りなつくりです。

(側面を構成するプラ板が天板に相当する上側の張力に引っ張られて2mm程度広がっていました。事前の熱加工では読んでいたのですが・・・取り付けステイで修正。接着剤だけでは怖いので03mmのステン線で補強しています。今度はプラが欠けるのではと別の心配がでてきました)
リヤーフエンダー

こちらは曲がり角度も緩やかで簡単と思っていましたが逆に3次曲面がかえって複雑でした。とうとうジャンクから1:8のカワサキだと思いますが一部にプラ板を貼り足してOKとしました。ただ素地のままだとあまりも汚いので1200番サフエーサーで処理(隠して)をしています。
フレームに仮付けしてみると、見えるのは3分の1程度で時間のかけ過ぎでした。
フレーム本体

2・4mmプラパイプと1・2mmプラ板で組み上げを予定していましたが、エバーグリーン社製のロッドは材質が柔らかく、曲げ加工も容易なのですが、明らかに強度不足が目立ちエンジンを搭載しないとグラツキが収まりません。直線部分ではサイズが異なりますが同社の2・5mmロッドを切り替えています。力関係の事は良く分かりませんが僅かの差で違いが出てきました。
リヤスイングアーム

3mmプラロッドを使っています。チエーン引きが少し変わった(模型工作では面倒の意)形状で未加工です。
シリンダーとヘッド

シリンダーフインは04mmのプラ板を使用。
ヘッドのスタットボルトは1・5mmの6角ロッドを埋め込んでいます。
クランクケースとカバー

2mmのプラ板を中空で貼り合わせ重くならないような工作をしています。実車は左側カバーの丸蓋にYAMAHAのロゴが浮き出し加工されています。掘り込みなら何とかなりそう?(難しい)写真でかすかに凸のロゴがらしきものが見えるでしょうか、現在加工段階です。
左プレートはアルミ製ですが、どうやら焦ってサイズ誤りをしているようです。再工作しましょう。
キャブレタ

キャブレタ本体と別付けフロート室です。工作上すでにエァクリーナーへの取り付け板も付いています。
3枚のフランジは、左からキャブレタ側、2枚目がベーク製の断熱用、右がシリンダー側につきます。それぞれ塗装が終わってマニホールドの中間に付けて完成します。
フロートはフレーム本体にバンド状の金具で取り付けられています。
エァークリーナー

シート下の空間を一人占めする特徴的なエァクリーナー
最初はアルミ板に切り込みを試みましたが直径15mmの円形にまとめるのは私には無理でした。試行錯誤、3種類つくり、ある程度省略してまとめた最終版です。



現在、シートの型紙つくりをしています。次回はタンク、排気管等の工作と併せてお伝えします。
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