Modeling note  File 10              
 ヤマハ125 YA−A 125cc 1957年 第2回浅間火山レーサー 最終回
 第15回   11月20日    仮組みの続きです
右側面

エンジンを架装してパイピングの途中です。時間をかけて製作した排気管の途中行程がファイルから消えていました。
エンドのテーパー部分はプラ製で旋盤から削りだしています。完成後に拡大写真を用意します。
左側面
塗装の終わったタンクとカウル

写真ではかなり濃いグレイ色に写っていますが実際の色は白っぽい色合いです。
白ベースにエァクラフトグレイと灰色9号を加えて調色しました。
YD1のフエンダー色が前提にしています。

デジカメのホワイトバランスも取れていないようです。
タンクキャップはアルミロッドから滑り止めの溝を立ててエァー抜きを埋め込んでいます。
左前方から

タンクを載せてシートをつけました。
カウルを装着すると全く雰囲気の異なるマシンに変化します。

写真撮影時の手振れ防止を目的に
デジカメにリモコンシャッターを取り付けま
した。もっと早く採用すべきでした。
右後方から
タンク後方の窪みにはニーグリップのラバーが付きます。
部品としてはもう工作済みなのですがともかく全体のフォルムを確認したくて塗装も後回しになっています。


写真下左右側面から基本図面とつきあわせて見ましたがやはりミリ単位の誤差がありました。
走行状態の写真ではもう少し前上がりのように見えますが後輪サスの沈み込みだと思います。


Fブレーキワイヤーは未工作です。
 最終回  11月26日   完成写真

 6月28日に第1回の製作記事を掲載してからもう5ヶ月経過しました。過去の作品でも
スクラッチでこんなに長期間になったのは初めてです。作品のサイズから見ると
本当に小さなものですが、資料収集から始まってひとつの部品つくりにも難しさを痛感しました。
製作途上で何度も障害?というより壁に当たり、得意のいい加減さで抜けようと思っても越えられないものがありました。
原因は実車に対する思い入れの強さ、逆に知識不足のギャップだと思いました。
少しずつ工作が進むのですが、これは本当にこんな構造で正しいのだろかと自問を繰り返していく毎日でした。
 例えばメインフレームなども完成しても何か強度不足を感じてタンクレールの上側パイプと下側パイプの
間に垂直にメンバーを追加してみるとキッチリと強固なものに変わりました。
そうすると、あるいはこんな構造が本当は正しいのではと思い込んでくると収拾がつきません。
「タンクで隠れて見えないから、どうでもいいや」では済ましたくないと思うと改めてYDSのフレーム写真は、
どこかにあったと探します。
 結局、その部分は判らないままで終わり、そんな時に新たな発見をして「しまったミスだった」と
大騒ぎして修正作業に取り掛かる・・・・・・・・これが工作の遅れにアクセル全開となって、
日数だけ刻々と経過していく有様でした。
このあとクローズアップも交えた完成写真になるのですが今回は全く冷や汗ものです。

  

  ・・・・・・・・ 資料と比較するためにモノクロで撮影した完成写真です・・・・・・・

 先ず今回のYA125の製作にあたりたくさんの方々からご支援を戴きました。
製作のきっかけになったNOGRYUさんから資料の揃っている市販型YA−1(1958年浅間レース)
を提案されましたが、私の頭の中では1957年のファクトリーYAしかありませんでした。
 色んな形で資料やエピソード、極秘情報などのご提供を受けて何とか完成しました。
私自身も相応の情報を持っていたつもりですが、全く知らなかった正確な資料と情報に驚いたり
製作途上の励ましにもつながりました。本当はご協力下さった方の実名を挙げてお礼と、
資料出所をお伝えしたいのですが、ご迷惑を考えてあえて伏せた上でお礼を申し上げます。
皆さん本当に有難うございました。
 このあと閲覧いただいている皆さんに是非お伝えしたい秘話もあります。写真の途中に
適宜書き込んでいます。日本のロードレースの黎明期の原点と言える日本楽器製の
YA−1レーサーを身近に感じていただきたいと思います


写真上
左右側面です。
 



写真左
カウルがついた前面は精悍な感じに変わりました。

写真右
タンクの上面にウレタンが貼られています。
3mm厚のスポンジを使いました
実車はさらに10cm厚くらいのスポンジマットを重ねています。
左前から

実車のタンク側面ニーグリップはウレタンだと思われます。
最初は1mmのスポンジを切り抜きましたが見苦しい状態になり
薄いプラ板を重ねて厚みを出し
タンクの窪みに合わせました。
熱処理で数回挑戦しましたが、
少し捩れた三次曲面は出来ません。
接着はプラセメントです。

写真もこのあたりで少しまともに撮れる
ように慣れてきました。
前はものすごい遠近差が出て極端に
誇張されていましたが、やっと気に
なっていた問題が解決できそうです。

右後方から

実車は多分もっと荒っぽい感じ?
だろうと思います。またこんな
コンデションはありえないと思います。
ミュージアム展示用に復元した全く
の新車の状態と想定してください。



ホイルベース128cmですから
模型では140mm程で125ccと
しては標準的なサイズです。
YD−A250も全く同じサイズですから、むしろYDがきわめてコンパクトな
マシンであったということです。
特に重量ではYAは90kg
YDは100kgで僅か10kgの違い
は驚異的です。
デジカメに慣れて

上面からの撮影に挑戦しました。

タンクは相当大容量です。
路面抵抗の大きいダートコース
140kmを無給油で走るには、
必要な大きさであったのしょう。
僅か125ccの排気量でも2ストでは
リッターあたり7km程度と想定され
約20リッターの容積が条件だと
思われます。横に拡げるより高さで
容積を稼いだのかも知れません。
後に市販されたYD−1のタンクの形状
と何かしら似通ったものがあります。
余談ですが、スタートしてすぐは20kg
のガソリンを積んでいます。
データを見るとYA
タイムは後半で
早くなっているようです。
燃料重量の関係も大きいようです。


回転計がちょっとだけのぞいています。
クローズアップ1

右側後輪周辺です。
排気管はプラ素材です。
テールエンドもプラ素材ですが
後方に向かってテーパー状に
小さなメガホンになっています。
厚さ05mmまで内側をけずりました。

随分昔に何故だろうと思って
Y社の友人に尋ねたことがあります
「テールの排出パイプはブラケットの
部分は直線でそのあと拡がっている
から性能にはさほど関係ないと思うの
で多分排気音が勇ましくなり
性能誇示の意味合いかも」

友人T氏は既に他界しており真偽の
程はわかりません。
しかし、当時の浅間レースならそうで
あっても不思議ではないと思います。
工作途上でなぜか思い出されました。
クローズアップ2

キャブインシュレーターは一旦7度
くらい傾斜をつけたあとほぼ垂直の
フランジがつけられています。

YAとYDの実車写真から何れにも
クランクケース側面に四角や丸、
三角のマークが読み取れます。
推測では多分ミッションレシオの違い
を記号で表しているのだと決め付けて
いましたが、とんでもない思い込みで、
事実はライダーに3台くらいあてがわれ、マシンのコンディションの状況を
示したもので本番用をそれぞれ決めて
いたのではということでした。
このとき日本楽器ではまだ125cc
だけしか市販されていないのにスペア
を含めるとた相当台数のマシンが
準備され、富士登山レースから
浅間レースに至る国内レース挑戦の
意気込みが伺えます。
クローズアップ3

右前方部分です
YAとYDではタンクの形状と容量が
違います。YDは若干丸こっい形です。
それに伴いハーフカウルの取り付け
も微妙に違いがありました。
YAーAには段差の緩いアングルに
組みつけられています。

形状から見ますと空力向上には
あまり役立っていないと思いますが、
むしろ前車が巻き上げる灰土と小石を
避けるのが主目的ではと。
(私の個人的な見解?)

本番に練習なしで突然付けられた
カウル、ヤマハライダーは猛者揃い
だったのでしょう。

クローズアップ4

シフトペタルはシーソータイプです。
路面状況からフットレストから足が
移動する状況がたくさんあって、
どんな位置になってもシフトが出来る
ようにしたものだと思われます。
苦心のエァーフアンネルの金網が
少しだけ見えます。

回転計取り出し部分の真鍮の蓋は、
真鍮製かどうか不明です。
資料のなかのモノクロにカラー着色
した写真では真鍮色でした。

 浅間火山レースのレギュレーションが「各社に対し各種目5台まで、同じ型式の車両は3台まで」と
なっているため、ヤマハではYA−A(ボア:ストローク54X54)とYA−B(ボア:ストローク56X50)の
2種類マシンを用意してYA−Aが3台、Bが2台、の計5台がが出走していました。
優勝マシンと2位入賞のマシンは何れもAタイプです。5位入賞車はBタイプのショートストロークです。
優勝マシンの最高ラップは250ccクラスの5位マシン同等で、クラスではブッチギリの
速さだったはずです。ちなみに350ccクラス出場の優勝車ホンダ305ccと比較すると
平均時速で僅か5kmh足らずでした。
            私の想像では後に市販されたYD−1(250cc2気筒)の開発モデルがあって、
           その半分を使った単気筒レーサーが出来たと思っていました。
           ところが事実は逆でYA−Aをもとに、250ツインYDレーサーが開発されたそうです。
           したがってYAのシリンダーをフインを切り取ってそのまま並べて2気筒に!
           そのお話を聞いて成程と(YD1のクランクシャフトは真ん中で外れる設計?)昔の疑問が解けました。

 特徴的なセミカウリングは極秘事項で練習走行時には、装着せずレース直前の
公開練習の時に始めて付けられそうです。今手元に出場したマシンのリストを
見ていますが125クラスから500ccまで11社のマシンのなかにはヤマハが
唯一のカウル装着車両です。ダート路面の火山灰の埃の中から、カウルに身を伏せた
ライダーと甲高い排気音が迫ってくる光景を思い浮かべることが出来ます。


 
最後の写真は私の好きな位置斜め後方から。
810X600ピクセルの画像は少し容量が大きくて申し訳ないのですが、やっと絞りを深くして
撮影する意味が分り、歪みも解決しピントもどうにか合うようになりました。
慣れることすなわち経験を積むことが必要でした。


     終わりに大笑いのお話を、カウルスクリーンの素材ですが、透明プラ版を何回も
     熱処理で曲面をだすように挑戦しましたが、溶かすばかり駄目でした。
     たまたまビッグカメラに買い物に行ったときに大発見。パソコンのマウスケースに
     絶好の曲面がありました。お店の人は違った意味で説明して下さるのですが
     やっぱりこちらの商品を下さいと高い買い物をしました。仕事場にマウスは転がったままで、
     若干の後ろめたさが残っています。

                        長期間の閲覧ありがとうございました。 
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