MODELING NOTE  File 34
 
TOHATSU 1963 50cc Factry Racer 連載7回予定 FULL SCRATCH

それは
Surprisedから始まりました


2012年7月18日 11:44   不老隊の皆さん
柴田さ〜ん  トーハツですよ
The Motorcycle Classics vol7 7月30日発売

突然、こんなメールが松永隊長から送信されてきました。ランペットフアンの私にいち早く情報をお知らせくださったのでしょう。
とりあえず発売日前に見ておきたかったので某通販書籍に予約しておきました。ところがこの雑誌から考えてもいなかった展開がはじまりました。松永隊長のきわめて優しい協力的な助言が何かくすぐったく感じていましたが、結論、次回作品はこれしかないでしょう。と追い込まれました。29日に手元に7号が到着、次第に熱くなってきました。自分の手持ち資料(何故か収納場所が分かっていてそわそわしながら事前に準備)と付き合わせて「うんうん」と訳もなくうなづいたり少し興奮気味になりました。


サプライズの始まりの雑誌です。当時の取材記事が掲載された資料と併せて検討していきますと新しい発見もありました。余談ですが私の手元に届いた時には松永隊長の地域の本屋さんには店頭に並んでなかったそうで・・・・・・「勝った」と何か突然嬉しくなって笑ってしまいました。なんと器の小さな人間なんでしょうか。

さてトーハツのマシンとなるとかなりマイナーなイメージです。市販されたスポーツ車の改造レーサーが当時としては相応の戦闘力を持って市販レーサーと勝負をしていました。メーカー規模や主力製品の問題もあり、研究部門があとから付いてくるような感じでフアクトリーチームとしては後発であった事は否めません。
それでも、1962年だった思いますが画期的な新しい工場レーサーを発表しました。2スト50cc2気筒、2スト125cc2気筒(併せてモトクロッサーも)の3機種でした。しかし61〜63年、この期間レーシングマシンの技術革新は著しく、飛躍的に向上し、他社を上回った高性能マシンメカニズムももすぐに置きさられる本当に真の競争の時代でした。モデラーが二輪業界の事をあれこれ評論をしてはいけませんね。

国内販売はもちろん鈴鹿日本GPでもワークスを参加させなかった悲運のレーサーこのマシンも1台だけ、英国のDシモンズに輸出されています。というより本格的にコンペテイションとしてサーキットを走ったマシンはこれだけではないのでしょうか。
ピストンリードバルブ、混合給油(後に強制に改装)方式を守ったトーハツ技術者たちの汗の結晶の50cc二気筒(D・シモンズ仕様)に挑戦してみました。


1962年モーターSHOWにデビユーしたモデル
性能は未知数であったが市販ランペットCA2の高性能と活躍実績から、Wクレードルフレーム、二気筒、ピストンバルブ、超軽量な車体重量、オーソドックスなバランスのとれたヨーロッパスタイルレーサー、その活躍に期待したものです。

    (右上写真は実車ではありません)
  8月9日 まず定番材料をチエック 第1回
フルスクラッチとか偉そうな事を言っていますが材料の調達が一番大変です。ストックも底をついて最後の少排気量タイヤとなりました。スポーク材料は志賀さんの虫ピン1号(04mm)を使います。スケール的には0号(035mm)がジャストなのですがニップルの真鍮パイプが適当なものがありません。したがって50〜125cc級には1号ピンを使います。100本で400円くらいですがこれだけ精確な商品がと思うくらい見事なものです。
リムはコスモスさんの36穴粗仕上げを旋盤でバフ掛け磨き出しをしています。今回前輪を中心に足回りのポイントをお伝えしたいと思います。1:9スケールの場合50cc級は1:12のように小さくなります。前輪はどうしても作り込みをしておかないと、最初に目に付くのはフロントハブ周辺の完成度のようです。
市場にはプロタースズキがまだ相当数あるようです。フォーク・ブレーキハブ・スポークに改造を加えるると素晴らしく変身するのですが・・・・・(唯それで終わらなくて徹底的にになると別物みたいに、キットから使うパーツがあまりない)そんな結果になりかねません。閲覧頂いている方からメールを頂戴しますが決して立派な作業環境でではありません。長さ2400cmの工作台にパソコン・小型スピーカーなどが半分を占め、のこりのスペースに写真のように雑然とした環境で工作をしています。
今回の製作にあたり必要な資料を手の届く範囲に拡げています。

ハブから着手
必要な工具だけを取り出します。
図面はセクションごとに数枚作成します。
足回りの着手
ハブのサイズ(内径)を算出します。今回前後輪同一サイズですから作業は3工程以上簡単になります。リブ部分の厚みの設定はスケール換算を止めて、強度上で一番薄くて丈夫な厚み。1・2mmタミヤプラ板を使います。単純に厚みだけ考えると1mmでも十分ですが、リブを側面から見るとタイヤ側に向かって傾斜しています。約07mmの勾配とスポーク穴の落とし込みを加算するとここが限度のようです。
14mm径4個の真円の切削はサークルカッターでは上手くできません。写真に見えてるように1.2mm3mmドリル12mmリーマーそして最終24mmリーマーで丁寧に仕上げていきます。途中何度もチエックしないといとも簡単に穴が広がることがあります。800番の紙やすりで最終整形をします。間違ってもプラ板切り離して工作しないことです。穴あけ完了後に大まかに
左下写真のように準備します。次にリブの外径をまとめます。あらかじめ外径に見合うテンプレートを準備しておきます(場合によってはインチも必要)この作業どうしても丹念にヤスリ、紙やすりを駆使してカチンと収まるまで削り込みをします。工作物が薄くて小さいので難所となります。右下写真のようにリングを
03mmプラ板で裏打ちをします。接着完了後に外側側面から瞬間接着を流しておきます。
ハブの成形

とても面倒ですが裏打ちしたハブは先にスポーク穴を開けます。理由はドリルの刃先が滑っても修復可能です。36穴用の治具を準備していますからそれに合せてカルクで位置決めをします。
(治具は相当使っていて汚い代物でお恥ずかしい)

右上写真の円書き4個のプラ板はパネルの材料で2mm厚です。全く同じ要領でハブの内径にピッタリ(肝心な部分)合うように削り出します。今回4枚重ねてネジ留めして旋盤に咥えてヤスリ整形で時間短縮を狙いました。(結果は手作業がはるかに早いと思いました)
1、05mmの穴を開けます。スポーク04径ですが90度の曲がり代を01mm余裕を
  見ています。

、リブの表面を内側から外に向けて傾斜角をつけるために削り落とします。
  表面を600番紙ヤスリで軽く仕上げます。

3、写真左下 裏打ちの03mmプラ板をリブに合せて切り落とします。

4、次にスポークの穴に1mmのドリルの刃を使って面取りをします。
  スポークを装着して表面の出代と沈み具合を確認することが必要です。
  少し浅めがポイントです。
  そのあと側面に流していた瞬間接着剤を削り、ハブ下側(内側)も薄く見えるように
  少し角度をつけて削り全体を6000番スポンジで磨いて完了です。
写真左 
完成したハブとパネルの土台 ブレーキドラムは03と04mmの貼り合わせでフイン枚数も資料通りにしています。工作手順は割愛させていただきます。

デカルの製作
タンクマークのデカル、よく見ると自分でも製作可能ではと思えてきました。CA2ではクランクカバーにトーハツマークを彫り込んだ事を思い出して突然最後の工程に脱線しました。使用ソフトはラベルラベルマイティ11です。素人向けの万能デザイン用でしょう。普段はCDやDVDのラベル製作に使っています。サイズは95〜105%まで3種類準備しました。


珍しいランペットの写真
1962年USGPに出場したランペットの1台です。。フレーム構造はCA2、エンジンはCR50と呼んだ最終型です。更に改造が施されてOILポンプを追加されているようです。クランクケースの形状も少し違っているように思えます。


今回突然工作を始めました。大好きな50cc級ですからじっくり楽しみながら作業を続けたいと思っています。次回はどんな部品つくりになるか分かりません。思いついたもの図面が完了したもの自分の好きな部品とか工程は若干ランダムになりますが、ご理解ください。
厳しい暑さがまだまだ続きます。ご自愛下さい。     柴田 一彌


 8月18日  思いついた部品から 第2回
排気管

トーハツ50単気筒の排気管はエキゾーストの口径を大きく取りストレートで膨張管に繋ぎテールエンドで大きく排圧をかける仕組みだと聞いていましたので、形状的にはそんなに難しくないと思っていました。ところが資料照合を重ねるとツイン105Yはなんと排気ポートから次第に大きくなるバナナ型のチャンバーに変わっています。いつも排気管の工作が遅れるので早めに着手したのですが拙速でした。

トーハツ特有の細いピースエンドは改められて、約18mm径の排気口になり更に付け根部分にリバースコーンのような段差と膨らみがあります。知らなけらばそのままで・・・・知ってて見送る、何か納得できそうもないのです。工作手順を考えて修正を予定しています。今回いきなりのミス。前途多難が予想されます。


下写真3枚
タンクキャップの工作(説明ハンドルと併せて)
タンクキャップ

105Yは工場レーサー、クイックリーキャップと思っていたのですが、違っていました実用車に使われるような滑り留めのついたねじ込み式が採用されています。100円ライターで?小さい、着色できない。結局
6mm径のロッドに08mm半円のロッドを丹念に貼り付け乾燥後に表面修正し切断しました。

クリップハンドル

4・2mmのパイプに3mmのインナーの穴を開けて2mmのロッドを接着しています。締めボルトは寿屋のプラナットの小を転用しています。
フロントフォークとボトムケース

この面が外側になります。実車資料ではこの部分は工作も少し粗くオフセットさせた車軸も隙間を溶接盛で処理されています。だから同じように荒い感じを表現など、私の工作技術では無理です。
できるだけ、こうであろうとの想いで望んでいます。

側面に2個のネジ穴があります。なんの目的かまだ確認できていません。模型小作上ではこのネジ穴厄介ものでした。ボトムケース4・6mm径インナーチューブ3mm嵌合部分深さ20mm(強度と精度)と深くとっているためネジ穴とインナーが交差し、約06mm程度の工作代しか残っていません。一旦深く接着代をとって、完全接着後に3mmドリルで再度内側の飛び出し部分を削り落とします。
ステアリングプレート

左側からアンダーブラケット
写真は実物より相当大きく拡大されています(方眼サイズと対象下さい)

中央 アッパーブラケット

実車はアルミ製で光輝仕上げまではされていないようです。きわめて小振りでこれ以上削げないというような繊細なつくりです。

右 ステアリングダンパー

ネジ押し込み式が採用されていますが、あくまで外観の抑え部分だけを準備しました。完成後に取り付けられます。
これ何?シートカウルの途中工程

1962年発表当時はアルミ叩き出しのカウルでした。
無謀な挑戦を試みています。06mmのアルミ板を丸頭のハンマーに重ねてコツコツ叩いています。
金工細工など全く経験がありませんが、ともかく当てる場所を変えたり、叩くハンマーを取り替えたりしていくうちに段々形らしくなってくるのが面白いですね。
今回の場合、もし失敗したらプラで作ればいいかと逃げ道があるのが気楽です。

しかし、きっちり完成させたいのが本音です。
キャブレタ別体フロート

三國製16mmキャブレタが標準仕様での別体フロートが採用されています。従来であればそれらしきサイズのフロートを作ってキャブ本体に連結させたりしていましたが、今回最小排気量の2連装備ですから、あまりいい加減な交差もできないし・・・・特にキャブに厳しい松永隊長の怒られないないように、本格的に工作しました。ボデイは46mm径です。一番上の金具(切り込みのあるプレート)がフレーム付けられており、写真下にある円盤(緩衝ゴム製)をボルトを介して取り付けられています。油面調整はフロートを上下させてボルトで固定する事になります。現段階下ごしらえでサフの拭き取りなど未工作です。
キャブレタ本体

16mm三國を想定して古いカタログからサイズを出しています。エァフアンネルは別途製作中です。シリンダーすら出来ていないのに何か変ですが、手が付くところからの工作となっています。





次回は前後輪のブレーキパネル(凄く面倒な形状)とかフレーム本体などを予定しています。
                            柴田一彌
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