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TOHATSU LDV 125cc 1962  雁の巣SPECIAL  トーハツ鹿毛君を偲んで   フルスクラッチ作品
 10月31日 パーツつくりの続き  第3回 前回モノコックフレームの途中経過、半完成までの状態をお知らせしていました。電装品の位置やエンジン架装が決まってフレームは一応完成です。
リヤスイングアーム(1)

プレス鋼板製です。2mm厚のプラ板を基本形に切り出します。両面テープで貼り合せて糸鋸で加工しています。肉抜きの膨らんでいる部分は1mmのプラ板を
同じ要領で作ります。途中にタンデムステップのボルト穴もあります。
リヤスイングアーム(2)

別パーツで作ったプラ板を重ねて貼りつけます。
さらに中心に08mmの半丸のロッドを貼ります。
出来上がり状態の強度は3mmロッドと同じくらいあるようです。

チエーン引きの形状

鋼板アームの端末溶接に、見あった簡単な形状で対応されています。
ガソリンタンクキャップの工作

市販タンクをそのまま使用していましたので工場レーサーのパーツ転用が出来ません。再度登場しますが握りこみのある黒の樹脂製でした。

2・5mm厚のプラ板にサイズの位置決めをして、外側に約30度ほど放射線に2mmの穴あけをします。
その後で垂直に糸鋸で真円に切り落とします。
ポイントはキャップ表面の斜めの繰り込みが手際よく出来ることです。

塗装前のキャップ(大きな画面に細かい部品)

資料を対象にキャップの周辺を少し削り落として整形をします。

ノブ外周より小さめに、キャップ下側に05mmのプラ板をを裏から貼り、さらに台座075mmを用意します。


ガソリンタンク(下写真2枚)

今回もプラ板貼り合せを駆使して中空で工作しました。上面から見るとそれほどの出っ張りは感じませんが前面から見ると若干異様に思えるでしょう。ヤマハTD1の宇宙人のようだと言っていたことを思えば、ここだけはイタリアン、そんな雰囲気です。若干のパティを使っているので早めに着手、変形を見届けています。
キャップは載せているだけ、タンクは下地塗りです。
フロントフォーク

いつもの工法で少し複雑ですが、ボトムケースの中にインナーとその中に入れるロッド部分を2段に分けて加工しています。素材段階の工作で磨きだしなどが出来ていません。

フエンダーステーがフロント車軸の三角のプレートに付く構造からどうまとめるか考え中です。
ステアリングヘッド

写真の写りが雑で申し訳ありません。
左側アッパー用です。市販スポーツ部品の転用ですから一文字ハンドルの取り付け台座がそのまま残っています。完成時は鈍いアルミ色の予定です。
ロアーブラケットは手持ち資料から判断しにくいのですが、多分車体色だろうと決めています。

ステアリングダンパーは花弁型の薄バネを重ねた手動調整が採用されています。
競技用前プレート

優先順位で考えると、もっと消化しないといけない部品工作があるぼですが、連想的にフォーク、競技プレートの位置、クリップハンドル等々、そこでついに簡単な部品を先に手を出してしまいます。

コースでの練習時には番号の無い白いプレートだけをつけて鹿毛君が疾走していましたが、この1枚のプレートがスーパースポーツをロードレーサーに大きく変身させていたように思えました。





特製シングルシート


市販発売時のLDVにはセミダブルあるいはロングシングルシート、当時はツーリングシートとも呼んでいたようです。いずれにせよサーキットでは使いがたいものですから、トーハツ本社での外注試作品の1点でしょう、ホンダのY部品に似たシートが送られてきました。勿論、市販のグレイとベージュのツートンではありません。市販シートの台座を転用した少し固めの黒い精悍?な色合いと記憶しています。何しろタンクカラーが当時としては(今でも)異色のピンクでしたから。

私用が多く製作時間が少し不足して困っています。11月下旬までに完成を・・・・・(まだ肝心のエンジンさえも出来ていないのに)少し不安になっています。

 11月12日   パーツつくりの続き    第4回

 トーハツとレースの
 かかわり

1960年、本格的な市販レーサーが確立されていないころ、東京発動機は50cc原付自転車のランペットを実用車として2輪市場に送り出します。当時の市場背景はスーパーカブに代表されるように、スクーター的な手軽さと多様性をこの排気量に求め、事実街中を走り回る足として便利な乗り物でした。各社こぞって新しい車種の開発もこの分野に集中していたのも否めません。
だが、本物を求める各メーカーの技術者やライダーは小排気量といえども、イタリア車のマセラティやモンディアルなどスポーツタイプと呼ばれるパイプフレーム、テレスコピックフォークのマシンを渇望していたことも事実です。浅間や宇都宮でのクラブマンレースからレーシングスポーツマシンの誕生は当然でした。
東京発動機は商品車名はカナ文字で「トーハツ」として、市販実用車をランペットスポーツCA2として市販レーサーのベースマシンとして発売しました。ともかくリッター120hpのパワーはいろんな問題を持ちながらも驚異的な性能で一挙に50ccスポーツタイプの代表格に躍り出ました。そして1964年まできわめて短い期間でトーハツ終焉を迎えることになります。

トーハツのモータースポーツ活動概要
1957年10月 第2回浅間火山レース125ccクラスに出場
1959年 8月 浅間火山レースに工場レーサーLDツインで出場
1960年 9月 第3回クラブマンレースにランペットCA2で1位〜3位まで独占
1962年 2月 アメリカGPデイトナにCR50、LR125の工場レーサーを派遣参加
1960〜63年 全日本モトクロス50ccクラスで第3回から第9回まで連続優勝
1963年 9月 英国ブランズハッチでD・シモンズが優勝
1964年 2月 会社更生法適用で二輪事業から撤退


シリンダー

2ストロークツインですからシリンダーそれぞれふたつに分かれていますが、工作上2気筒を単体で作ります
。LDVのフインは交互に深い切り込みがあり、それらの工作を確認してから最後に中心から切断します。
たくさんの合わせマーク穴が作られていますが、これでも無意識に進めると間違います。意外に厄介な作業のひとつかも知れません。
クランクケースカバー

上段が右側のケースカバーです。
下段は左側で中心の大きな穴はキックレバーが付く部分です。
実車ではゴム製の蓋でカバーされています。
シフトぺタルの軸はキックレバーの真下の位置になります(未工作です)。
クランクケース本体

バックボーンフレームのためエンジン取り付けがシリンダーヘッドの後方で吊り下げて固定しています。
シリンダーとヘッドが出来上がらないと、図面ではOKなのですが微妙なズレが出てくるおそれがあります。ということでシリンダー、ヘッドを先に完成させないと前に進みません。分かっているのですが時間が不足すると慌てるばかりシリンダーは工作ミスをして現在やり直し中の段階です。
シリンダーヘッド

失敗を続けられません。ヘッドは少し時間をかけて丁寧な工作をしました。ヘッドボルトはフインよりスパナ部分の厚さだけ飛び出しています。垂直のフインの間に普通のボックススパナが入り難い事情があったのでしょう。
クランクケースカバーとプレート

塗装を済ませたカバーです。厄介なことにプレートにトーハツマークが刻印されています。直径12mmの中にマークは・・・・逡巡しましたが前に作ったCA2ランペットにも工作をしていました。よく見ると直線の連続ですから慎重にやれば、トライマスターの筋彫り工具で彫れます。
キャブレター

キャブレターの詳細について資料不足です。記憶では東京気化器(TKC)だったと思いますが、何といってもマニホールドが45度傾斜した特殊な形状が特徴的でした。当時は直線のマニホールドでも懸命にバフ掛けをしたり、吸入抵抗の軽減を図ったりしていましたが、
全く異なった設計者の考えもあったようです。
後輪ユニット

フロントフエンダー

フエンダーの位置だしで苦心しています。実車ではステーは内付けですが、1mmのプラロッドを使うとタイヤが収まりません。通常のようにボトムケースに直線で取り付けられていれば何とかなるのですが・・・・・ある程度、デッチアップになりそうです。

もう少し検討したいと思っています。
排気管の前工作

LDVのレースキット排気管はCA2の容量を少し大きくした形状です。したがって角度の異なる円錐形を繋ぎ合わせ作ります。素材は03mmのプラ板をテーパー状に貼り合わせ06mmの厚さを作ります。プラ接着剤が十分乾燥してから次のステップに移ります。
エキゾースト部分は3・6mm径のプラロッドの曲げ加工を考えています。
多分微調整が必要で一番最後の工作になります。
タンクバッジ

実車はゴールドイエローのプラ製のバッジが付けられています。デカルなら簡単なのに(実際はインクジエットのプリンターでは難しい色)と思いましたが、ここはプラ板から切り出して作ってみました。こんな細かい工作になると視力の衰えを痛感しました。
完成時点でこのバッジがトーハツLDVの市販車タンクをどう表現できるか疑問です。
フレームに架装

フレームの塗装を済ませて、右側部分からパーツの取り付けています。点火コイル、レギュレーター他の電装品が中心です、サーキット走行ではサイドカバーは取り付けていませんので、配線類も必要になります。
右側の飛び出しているところがヘッドを吊るす部分でフレームの一部となります。


製作が自分の予定より若干遅れています。次回何とか仮組まで進むようがんばります。
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