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TOHATSU LDV 125cc 1962  雁の巣SPECIAL  トーハツ鹿毛君を偲んで   フルスクラッチ作品

残暑お見舞い申し上げます。


毎日厳しい猛暑日が続いて、元気印の私でも軽い熱中症状態がでて点滴をする有様でした。
お盆休みをはさんで、逆に休養になったかも知れません。
ところが考える時間ができて製作候補のマシンの決定で悩んでいます。2台続けてややマイナーなマシンを選びました。どうも自分の好きなマシンは閲覧くださる皆さんにはあまり好評でないような気もしますが、地味で不細工で格好悪いマシンにもそれぞれビルダーとライダーがひとつになってゴールを目指した努力は素晴らしいことだと思います。
このホームページのなかに回想記「雁の巣時代」を掲載しています。今回、その中で私がトーハツCA−2で大変お世話になった友人鹿毛君が雁の巣のコースを疾走していた、スペシヤルマシンに挑戦してみますが、たくさんの課題が待ち受けているようです。。




製作マシンの設定について

何故か、トーハツ福岡支店に在駐していた2人の社員の人たちのことが昨日のことのように甦ってきます。冒頭タイトルに記した鹿毛高志君、浅間コースを125単気筒で猛烈に走りぬいた、通称「浅間の源さん」こと三浦源吉氏・・・・これまで相当数のマシンを作ってきましたが、自分自身にとって最も関わり合いの深いとTOHATSUのマシンはどうなっているだろうと思うと、自分が乗ったCA−2が1台だけしか作られていない。これでは故人の鹿毛君にも連絡が取れない源さんにも申し訳ない。ということからLDVを候補にしました。トーハツでは前年にLR3と名づけられた工場レーサーを少数つくりDAYTONAに送り込んで試作車のテストを行いながら、国内向けにはLDVスーパーアロウ、市販マシンをレース参加のレベルまで引き上げた性能でモーターショウで発表しました。ホンダCB、CRよりも2ストが好きなマニアは待ち焦がれていました・・・・・・ところが残念なことにLRは10台くらいしか作られずDシモンズ他2名のライダー売り渡されたそうです。
 そのころ福岡支店の2人はことに寄ればLRが送ってくるかもとかすかな期待を持って、市販スーパースポーツ改LDV(LRのキットパーツはほとんど組み込まれていた)鋼鈑バックボーンフレームのマシンでCR93を追いかけていました。鹿毛君、先輩源さんの後方1mくらい後ろについて熱心に雁の巣コースを習熟しているようでした。源さんがミスをしても絶対に前に出るようなことはしません。良き時代の師弟関係の表れでしょうか。

8月30日  準備編 第1回
これは実戦用にまとめられたLR3工場レーサーです。60年代初期の軽量級レーサーの代表的なデザインです。国内には市販されていません。レースゼッケン51は1963年トニー・ゴッドフレイに供与されたマシンです。国内販売したロードスポーツLDVとの違いは、当然エンジン出力の差異はありますが、LR3が実戦参加DAYTONAで得たノウハウからクラッチを湿式に改造されています。フレームがクロモリパイプダブルクレードルと別物なっていますが、それでも先発のメーカーと互角の戦闘力を発揮することはできませんでした。
レーサー販売と供給メーカーの方向を止めて、ランペットと同じ様に国内では使いやすい入門用LDVにシフト変えしたのは賢明な判断であったようです。
1961年のモーターショウのテントの裏側で撮られたLR3のスナップです。発表当時は欧米の優れたマシンの一部をつぎはぎして、これでどうだというマシンでしたが、最終生産車とのおおきな違いに驚きます。
ダミーマシンとは言えませんが実働しないのではの噂も飛び交っていたようです。
タンク、タイヤサイズから見ると250ccサイズです。



参考までにプロトタイプの写真を掲載しました。
1962年に発表された市販予定のLR3レーサー。
これも良く見ていくとガスタンク、フロントブレーキパネルなど大きく変更されています。

下写真右は当日発表されたLDVですが複雑な空気取り入れ口とダブルカムブレーキと随分豪華な設計になっています。
製作にあたり資料集めと図面引きは必須作業ですから左の写真のように手近にあるものから積み上げています。販売用の単品カタログが何処かにしまっているはずです。もう少し裏付けが取れないと着手は無理かなと・・・・

実車発売から何年か経過するとサービスノートが掲載されたり、修理のポイントまで発表されています。多分30冊くらいを丹念調べないと解決できないでしょう。
50年前の写真資料で見難くて申し訳ありません。
今日現在まとめられたLDVの横写真です。いずれ図面の問題もありますので正確なに修正します。


余談になりますが、東京発動機(トーハツ)は1962年後半から経営に支障がでて対外的には余裕を見せても社内ではすでに行き詰まっていました。レーサーをはじめ生産車でもちぐはぐな動きになっていたようです。
これはきわめて貴重なスナップ写真です。
私自身は何かのきっかけがあれば実車の改装まで手伝って(ジャマダと言われてました)いたので構造は理解できます。

閲覧いただく皆さんは少し奇異に思っているではと心配です。倒産した消防用発動機のメーカーのことを必要以上に押し付けているのか。今回に限り鹿毛君を偲ぶということでお付き合いください。
困ったタイヤの問題

一番早くて確実な出来上がりはプロタモリーニのタイヤとコスモさんのナロウリムですが、実車250を装着していました。タンク形状フレームの形状から納得できていません。写真上右は250cc用前輪と50cc用後輪の組み合わせです。サイズ的には収まりますが、前後輪とも前輪のトレッドパターンになっていまいます。こういう致命的な誤りを容易に発見する人がいますので、これも駄目かなと・・・・・・・
ところが問題点はさらに深くLDVのリムはアルミHではなく鉄板プレスリムが採用されていました
話は戻るので、左写真のモリーニのリムを使うか。
資料収集の補完作業と合わせて、しばらく考えさせてください。

それから最後ジャンクと呼ぶ特別な箱に何か発見するかも知れません。


酷暑のみぎりご自愛ください。


 10月17日  製作再開   第2回  工作休止をしてから45日も経過しました。いざ部品つくりに挑戦すると
今までのペースがガックリと落ちて驚いています。今回は出来たパーツを
無計画にランダムに並べて報告しています。次回以降修正しながら追いつく予定です。
「新秋の候」と季語がすっかり変わる季節になりました」

前回からの問題点の続きで、適当なリムを探してみました。ジャンクBOXその3の中に無残ながらも半分折損したリムの断片が見つかりました。ところがサイズが19インチ用で20穴。どうせ上手く出来なくて元々と一部切断しながら、それらしく作り変えました。

1200サフエーサーをスプレーして、その継ぎはぎだらけの見苦しいところを隠しています。


これは前輪です。最後に上手くメッキ状態の表現が出来るかどうか若干不安ですが。
同じく後輪用です。
これもまた17インチに近い18サイズのリムです。
あまりにも前から転がっていたパーツで何に使われていたのか記憶にもありません。

やや幅広く合わせ目のセンター部分を落として、なんとか前後輪とも鉄リムらしく、「整いました」。

タイヤもあれこれと合わせて許容範囲で収められそうです。
フロントフエンダー

スズキTR50と全く同じ工作手順です。LDVの場合ほぼ160度くらい深く覆っていて、タイヤも未決定でしたから大慌てで集中工作となりました。(実際は大量の瞬間接着剤が固まるかな)何とか仕上がりました。ステー類はフロントフォークと併せて作ります。
左側が後輪用スプロケットがつくパネルです。
取り付け穴など未加工のままです。

右側 前輪ブレーキドラムカバーです。
ダブルカムを採用していますが、左側駆動のやや変則な仕組みです。

そして何故か雨水浸入を防ぐリブが全体に引き回されています。スーパースポーツであり市販レーサーのベースでも使えるように、あるいはキャッチコピーのためにか良くわかりません。
写真左上
前後輪のブレーキドラムフインの部分。

写真右上
前輪用ハブ 内側にややテーパー気味で代部分が1mmくらいしかありません。本当は少し大きめに工作するのが賢明でしょう。

写真左
前輪用ハブ 写真では見えにくいのですが、スポークのかかる部分が30度くらい外にメガホン状に開いています。突のパーツと凹のパーツを組み合わせています。
以外に手こずりました。
後輪用ハブ

何か工作の大半をハブ周りに追われて、とうとうジャンクからピッタリサイズの余りものが出てきました。1mmほど大きいので外周を少し落としたら、スポーク穴のセンターが出にくくなりギリギリのところで収まっています。加えて古いプラ素材ですから強度の面でも不安です。ホイルの組み上げで時間を取られるでしょう。
時間計算と精度を考えると新たに作れば半分の時間で終わったかも知れません。
フレームの取り組み1

LD3の鋼板バックボーンフレームは比較的に稜線が角ばっています。平面図面から基本材の部分を1・2mmのプラ板を切り出して、貼り合せて面取りをし、整形を考えています。H社のC70などと比較すると、実車は決してきれいとは言えず工作機器の違いがあったように記憶しています。基本フレームは実用車の対加重タイプの転用であり発展型ですから当然かも知れません。
フレームの取り組み2

切り出した素材を一部貼り合せたところです。これからタンクなどの位置決めをし沢山のネジ穴など加工しますから、しばらく全体像が見えません。フレーム側面、左側にバッテリー、反対側に高圧コイルなど取り付けられます。面倒なことにシート幅との関係で窪みが作られています。実車はサイドカバーがネジ留されていますが、サーキットでは取り外されています。バッテリーの積み替えを容易にするためと点火コイルの冷却?が目的と聞いていました。模型の世界は語るだけでは駄目で、目で見える細かな部品の追加工作が必要になってきました。

背伸びしてとんでも無いマシンに挑戦したようです。
しかし、このマシンはまりそうです。
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