Tea room


LPレコードとスーパーCD
  04・3・25・

Profileの欄で少しご紹介しましたが、JAZZが好きで少年の頃は本気でミュージシャンを
を夢見た事もありました。しかし人には持って生まれた才能があるのでしょう。
こればかりは練習と努力だけでは成れるものではありません。しかし聞いて楽しむ側にいますと無責任に
良い演奏だとか・凄い録音だとか・やはりライブには勝てないとか
勝手気侭に言える気楽な立場になります。
若い頃はお子遣いを貯めながら、社会人になってからはへそくりをしながらオーディオの装置と
ソフト集めに苦心しました。今ではもう集大成と言えるような装置一基だけにして、JAZZやボーカルを
楽しんでいますが、手持ちのソフトのなかから面白い出来事?をご紹介します。


写真左
日本楽器が自社オーディオ商品の拡販用に
制作したLPレコード
1978年発表 非売品




写真右
three blind miceのレーベル
(国内メーカー)で発売されたスーパーCD

1997年発売 ¥3800


何がそんなに面白いのかといわれそうですが、上記のヤマハのデモLPは当時では
きわめて高水準の録音技術で8・2トラと呼ばれるテープ録音を凌駕するとまで評判になり、
非売品だけに入手に苦労しました。内容は日本のジャズレーベルだけをリリースする
スリーブラインドマウスで収録したJAZZの8曲をまとめたものでそのなかに中本マリの
ボーカル3曲が凄い出来栄えでした。
中でも”the very thought of you”(邦題 君を想いて)は
ギターの横内章次だけの伴奏でラブバラードを切々と唄いあげる極め付きのものでした。
そしてこの曲は私を音楽はJAZZにと走らせた一曲です。

(1947年にアメリカのワーナーブラザースの映画で原題ヤングマン・ウィズ・ザ ホーン、情熱の協奏曲という邦題になって
確か1948年の終りごろに日本公開されました。主演にカーク・ダグラス、人気歌手のドリス・デイ、ホギー・カー・マイケル、
この人は名曲スターダストや我が心のジョージァの作曲家です、当然、内容は音楽映画で、白人コルネット奏者の
ベックス・バイダーベックが音の表現を探求するあまり、薬に溺れ悲惨な末路をたどる一生を忠実に描いた作品)

勿論「君を想いて」は挿入曲で主演のドリス・デイが唄いますが、
何回も映画館に通いこの曲とJAZZに完全にとりこになりました。
(数年前、自動車部品の小糸製作所のCMに採用されて約1年お茶の間に流れていたようです)
そんないきさつから、このヤマハのLPの一曲が私にとっては装置のテスト用ではなく聞き込めば、
次第に針音が増大してくるLPレコードの宿命を超えて愛聴盤になりました。
このLPレコードを市販さえしてくれればスペアが出来て全て解決するのですが。


20年経過した1997年、何気なくオーディオの技術雑誌をめくっていたら中本マリの
スーパーCDの発売案内を発見、曲名を確認して録音データもチエック、本当に間違いなく
あのエキピュラスのLPがCD化されて発売される。
しかし、やはり名演奏であった山本勲の2曲が削られ代わりに未発表の中本マリの3曲が
追加され録音時間は僅か35分といった内容で、さすがスペシァルCDと感心したり。
このCDの代替品があればLPは安心して保存できるぞとすぐさま購入しました。
元々アナログ讃歌をしていて「CDで音楽を聞く、音楽はデジタル信号で演奏されていない」など
屁理屈を並べ立て、僅か数枚の手持ちCDも馬鹿にしていました。
しかし、お目当ての曲「君を想いて」がALTEC−A7から朗々と流れてきた瞬間背筋が
ぞっとして自分の耳を疑いました。良く言われる再生機器の忠実度の追求とか定位の再現など
そんな次元を超えた感覚で、音楽が情感がこれほど熱く伝わるとは、CDに対する偏見と差別が
何か一辺に吹き飛んでしまいました。どちらも同じマスターテープからトラックダウンしたもの
ですから聞き比べも容易で認識を新たにしました。
(これは多分にこの曲への思い入れが強すぎるのも原因)

いい加減な私は、それからはCD礼賛に転向しました。残念なのは全てのCDがLPを超える音楽性を伝達
できるかというとそうではないようです。同じように20ビットのスーパーCDでありながら、
つまらない音質でガッカリするのもしばしばです。
あるいは自分の聴覚や感受性も後退してきたかも知れませんが。
最近では音楽を楽しむ時間の半分を朝のウォーキングのなかで創りました。
4kmを約50分かけて歩きますからCD1枚をほぼ楽しめます。ときおり録音時間53分とかあって中途の
ときには家の前で足踏みしながら曲の終了を待っています。これ少し変でしょうね。

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