Modeling Note    FILE 2        
  YAMAHA TD−1 1962年 250cc市販レーサー   製作記 スクラッチ作品
1962年7月、第5回全日本クラブマンレースが九州雁の巣特設コース(福岡市郊外の軍用飛行場1周4.3K)で開催されました。
ヤマハチームはその年に発表されるYDS1から発展させた市販レーサーTD−1のプロトタイプを社内ライダーのM選手とともに早くから九州に送り込み、限られた公開練習の時間をフルに使って実走テストを繰り返していました。
ホンダ勢には絶対負けられないという意気込みは、ヤマハ九州支社が郊外に用意した倉庫のなかで深夜に及ぶベンチ調整からもうかがう事ができました。40年以上も前に少し関わりをもった大会で、見ていたTD−1の勇姿?が忘れられなくて、日本のレーサーに加えたいと挑戦してみました。


(今回は製作用図面や関連資料などの説明は割愛させていただきました)

左上写真  当時のヤマハの社内誌、思いがけないものを発見することがあります。
左下写真  今回TD−1に使うヤマハRD56のキット(再販の新パッケージ)
  













    
 お遊びで新製品のキット外箱を作りました

フレームの製作
2.5mmプラ棒を使用しています。
平面図(型紙)を正確に引きます。

フレームをキチンと曲げるために
木製治具を作ります。

曲面4箇所を分けて作ります
フレーム直線部分を継ぎ足して
全体を構成します。

プラ棒の芯補強は05洋白線です。
075プラ板で実車のようにエンジン
取り付けステーやメンバーを付けます

1mm真鍮パイプでメーターステーを
作りますが、クラブマンレース出場車は
カウルステーはありません。


初期型のクランクケースは、ほぼYDS1と同じです。
グンゼ1:12のキットが参考になります。

シリンダーとヘッドの形状はYDS1とは異なります。
材料は05mmプラ板から切り出します。

クランクケース全面の冷却フインは075mmプラ板を
重ね合わしています。以外に手間を取る部分です。

圧抜き口を真鍮1.2mmパイプでつくります。


クランクケースサイドカバー左右を2mmプラ板積層から削り出します。
キックペタル穴は予め開けておきます。

左側はさらに丸い金属カバーがネジ止めに。

右側は落とし込みの金属カバーが。

右スプロケットカバーは殆ど外されています。
.
写真にはありませんが03mmアルミ板で金属カバーを作ります。
TDとRDの基本的な違いは、駆動ラインが左右逆なのです。
後輪ハブは形状は同じようでも、そのままでは使えませんから
ドラムの取り付けを裏返した状態に変更します。
前輪はセンター部分を2mmプラ積層で新しく作ります。
キットの部品を検討しましたが形状が全く異なります。

ブレーキ冷却フインはキットのパーツを加工します。
加工ポイントはRDでもそうですが放熱リブの溝を少し深くします。
更に16等分に横から溝をきります。
(実車はその溝が交互にずらしてありますが私には出来ませんでした。何れ
フインを新たに作ることになるでしょう)

ブレーキドラムやハブの部分は一体でアルミ磨き出しになっているようです。
ホイルの組み立ては昨年ご紹介したセッテベーロ175製作記事をご参考に。


フロントフォークまわり


残念ながらキットの部品は使えませんでした。
昔のAMTの自動車のキットに付いていた
6mmくらいのランナーを利用して
ボトムケースを作りました。

フエンダーはキットの改造します。
問題はステーがプラ一体部品です。
思い切って切り取り、真鍮08mmで引き回しして
05洋白線で受け取るようにするとTD独特の
Y字型ステーができます。

フォークチューブは3.8mmと3.0アルミ棒を
組み合わせてバフ掛けしました。
(写真は未加工です)

キャブレター


TD製作のなかで困った箇所です。
TDはピストンリードバルブ方式でキャブが
フロート別体で耐震ラバーを介して
取り付けられています。

もちろんキットRDの部品は使えません。
仕方無くジャンクから探して加工しました。
インシュレーターはベーク製です。

キャブのピストンは3mmのアルミ棒で。
(余談ですが実寸27mmでほぼ同じに)

クリップハンドル他


写真左から
シフトレバーは1mmプラ板から作ります。

Rブレーキはキットの部品を改造できました。

ステアリングダンパーノブを5mmプラ棒から加工して作ります。

ハンドルはキットの部品を一度ばらしてインナーチューブの修正や
下がり角度・ワイヤーリングの下ごしらえをします。


排気管とシート


RDのキットの排気管は膨張位置が違いすから、
そこからの改造は無謀だと判断しました。
シリンダー側は引っ掛けスプリング止め金の
半田付けと曲げ加工の問題から4mm銅パイプを、
中間のチャンバー部分はRC166の一部、
更に03プラ板の丸め加工そして
1.6真鍮パイプの組み合わせです。

シートはプラ板は貼りあわせと
サフェーサー処理で。リヤカウルは
ジャンクとプラ板を組み合わせて加工しています。
タンク

今回は中空にして拝み合わせの部分をリブ表現にしました。
(またTDはステップが細いので重量負担を少なくするために)


タンクキャップは溝切が難しいので100円ライターの
部品から転用しています。


Rサスペンション


やはりRDのパーツは使えません。
フレーム・スイングアームの
取り付け部分のみを切り取ります。
ダンパーユニットにチューブは
1mmの洋白線を使います。

ユニット下部はバネレートが3段階で
調節するようになっていますから
アルミ材を加工して仕上げます。


完成したパーツ類


特に説明の必要はないのですが、部品を全て
揃えてキットの状態にして楽しんでいます。
(変な性格でお恥ずかしい)

これは途中挫折しないように。
製作期間を予定表どおりにする。
残りは塗装組み付けに全力投球ができるので。
(まるで企業的発想で面白くない考え)
 
チョットと休憩しましょう
私は塗装が不得手でいつも失敗ばかりしています。そんな事ならもっと基本の塗装技術を会得して、それから改造とかスクラッチに取り組めばと言われています。ただ昔から切ったり繋いだりが好きで、どうしてもその性癖が直りません。
これから見苦しい塗装含みのステップに進みます。



写真左
シリンダー前から出ているスプリング排気管を引っ掛ける
(フインの一番上に付く)
キャブレターにはファンネルは付きません。
左四角の蓋はカートリッジミッションのもの

写真左下
同じくエンジン後方から
フレームに載せると見えないキャブのピストン


写真右下
マグネト点火でプラグコードはケースに直接入っています。
コードに左右の区別のチューブがかぶせてあります。
プロターの場合はプラグキャップは新たに作るのほうがベターでしょう。


写真左

塗装を済ませたフレームと排気管
タコメーターは最終的に変更します。



写真左下
各パーツを仮組み状態で


写真右下
同じく左側面から



仮組みで

RD05のキットに入っている付属のタイヤは
ややオーバーサイズだったので、調べてみると
MV500・3気筒のタイヤと同じであった。
大きいのも困り者です。
ホンダRCのタイヤがジャストサイズです。
最終組上げで交換しましょう。


サスペンションのコイルスプリングは例のように
06mm錫メッキ銅線を使用します。


完成写真


写真の記録手順を誤りました。
工作が進行して後追いが多くなり、
まとめられなくて困りました。



スタンドは未塗装です。
ブラスのままでもいいかなと思ったりしています。


タイヤは交換済みです。



タコメーターも修正変更しています。


実車ではクランクケースの
スプロケットカバーの部分は
大抵外されています。



ワイヤーリングの外径は
アクセル・チョーク
クラッチ・Fブレーキ
Rブレーキの3種類のサイズに
分けています。





製作期間は3ヶ月。所要時間は
およそ140時間くらいでした。

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