FILE6 SUZUKI RM62 1962
1月18日 最終回完成編   
前回あと少しで完成出来そうなところまで進みましたが、タンクの塗装仕上げなど未消化の作業がたくさん
残っていました。ともかく1週間の間、完成に向けて集中作業をしました。何とか出来たと思ったら曇天が
続いて写真撮影がまた室内の電灯の下になったり、1時間程陽が射したりいろんな環境で撮影しました。
したがって仮組みと完成写真は色調が異なっています。車体のブルーメタリックが伝わりにくいと思いますが。
タンクの塗装が乾いてないのでとりあえずエンジンを搭載して各ケーブルを準備しました。
この段階でほぼの長さや引き回しを決めて組み付けにしています。
まだ排気菅が未装着です。仮組みにしても何だか
間延びした感じです。



タンクレールの緩衝ゴムは電気配線用の電線の外皮を
使っています。必要な長さに切断。そのあと真ん中を
縦に開いてフレームにパチンと挟んでいるだけです。
やっとタンクの塗装が乾燥しました。デカルは本来、
水貼り用が付属していますが、使用したキットが
初回版だったので、やはり経年変化で使えない状態でした。

今回はRT125用のドライ転写を使いました。色が少し鮮やかになります。

タンクキャップは初期型ポリタイプを設定しました


 閑話休題 混合ガソリンとエンジン潤滑
 1960年代の中頃までの小排気量車のエンジンは殆どが2ストロークエンジン(例外の代表はホンダ車)を採用しています。現在で2ストエンジン搭載を見ると125cc・250ccのレーサーだけしかありません。この形式のエンジンも排気ガス規制という避けられない社会的な環境からも市販車では姿が無くなりました。懐古的になり過ぎでしょうか、初期の2ストエンジンの側面を少し振り返ってみました。勿論私はエンジンの技術者ではありません。当時の草レースを通じて関わりあった試行錯誤のお話です。
1950年代の終りごろの典型的な2ストロークエンジンの潤滑は殆どすべてと言えますが、燃料のガソリンにエンジンオイルを一定量入れて混ぜたものを使います。ガソリンタンクからキャブレターにそして気化されてクランクケースで余圧、ポートを通じてシリンダーに送られピストンで圧縮されて爆発行程になります。この道中で気化されていないオイル部分がコンロッド・シリンダー内壁を潤滑油の仕事を受け持っているのですが、熱処理が定量で行われるものではありません。アクセルの開度が大きいと燃料と一緒にたくさんのオイルを吸入することができますがアクセルオフではオイルも止まるという厄介な関係になります。

しかし当時ではそれはごく当然のことで、アマチュアライダーではメカニズム以外の事が重要に思えて、目先の対策ばかり考えていました。2ストエンジンでの怖さはオイル量不足からくるピストンとシリンダーの焼き付き現象でクランクがロックするこでした。
理屈の上では、抱き付き(ロック現象の別の呼び名)したらクラッチを引いて導力回路を外せば滑空するのですが実技面でとっさに判断して結果を出す事はまず無理で、即転倒につながっていたと思います。そんなことからオイルの割合を多くして熱処理に対応してみました。サポートするメカニックの人達のアドバイスもあって市販の混合ガソリン(18:1)の使用は止めて独自に混合をしていました。
絶対大丈夫は12:1ですが、きわめて重苦しいエンジンで競技のレベルではありませんでした。ご存知のように2ストエンジンでは排気菅がエンジン性能に大きく影響します。そのエンドを細く絞った排気菅の中にタップリ未燃焼のオイルが溜まる有様でこのような安全本位の混合比では駄目でした。しかし経験法則でしょう何度も繰り返すことで何時の間にか、基本的なひとつの回答が出てきました。
今まで20:1でも抱き付きの無かった植物系のオイルを使う(鉱物系と違い燃焼しにくい性質で冷えるとリングに膠着する欠点があり、メンテナスが大変)あとひとつはスワスピードハイオクとカストール16:1の組み合わせがベストだと結論づけしました。
勿論、このほかに気温と湿度・使用するチャンバーによって微妙な違いがありますが、エンジンの性能発揮よりも心理的に安全性を重視したいと思ったりしたのもでした。

 更に余談になりますが、エンジンを停止させるためにスイッチ(オフロードバイクなどでアクセル横にある緊急停止スイッチ)を何故かキル釦と呼んでいました。(今回製作のRM62はクラッチ側についているようですが)このスイッチを利用して焼き付きを防止しようと試みました。通用しない理屈で言えば2ストエンジンの場合クランクが回転すれば必ず混合気が摩擦系統に入っている。であれば爆発行程がないと未燃焼の濃い混合気がシリンダー内壁に残る事になる。だったら点火系統を瞬間オフにすれば未爆発の状態を作ることができる。その証拠にエンジンを被らせたあとヘッドを空けるとオイルだらけになっているよ。勉強のすきなメカの一人が極めて説得力のある理論を展開してくれました。さあ大変、早速実地テストをコースの直線路で試みました。スイッチを押しても瞬間でエンジンの回転に変化はありませんでしたが、練習中は時々チョンチョンと押して安心?を確認していました。

結果的にはその効果は確認されないままで、本番ではそんな余裕も無くその作業を忘れるくらいですから何とも言えませんでした。
むしろ2スト特有の不整脈的な爆発特性を克服して低速時のアクセレーションが熱処理と大きな関係があることを理解することが先決だったかも知れません。


最終組付けと完成写真
排気菅を組み付けてハンドル位置
なども固定します。

前後のサスペンションコイルも
併せてセットします。

右の写真が完成車のフレームに近いブルメタ色です。

タンクレールに沿って飛び出している細いパイプはカウルのステーで先端に丸いリング状の緩衝ラバーが付いています。
タンク・シートを組み込んで完成です。
タンクの銀は、グンゼのシルバー8を使いました。
実車も標準的な銀塗装が施されています。
左前からの完成写真
右前からの完成写真
いつもの言葉・・・・
レーサーが最も美しく
見える右後方写真
左側面の拡大写真
右側面の拡大写真
左上面から
実はRフエンダーの詳細が判りませんでした。
いつでも取り付け可能ですから資料や情報入手次第に追加工作します
 失敗映像のサンプルです (室内で黒背景の撮影をしましたが、照度不足でこんな写真になりました)  
最終回あとがき
昨年の11月から2年がかり?で取り組みました。心組みとしてキットを活かし改造を重点と申し上げていましたが、
結果的にはスクラッチ手法に走ってしまいました。やはり製作開始当初の勢いが無くなり後半で息切れしまうようです。
細部であと少しの努力を惜しむ事が完成時点の結果を左右しているのですが、なかなか改めることが出来ません。
今回の改造にあたって貴重な資料やデータをご提供戴戴いた皆さん、併せてこのページを閲覧戴いた皆さんに厚く
お礼を申し上げます。有難うございました。
 
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