Modeling note File 3
MV AGUSTA 125 製作記事   第1部    Momoalbero 1954 FULL SCRATCH

       
MV AGUSTA
第一次大戦後航空機メーカーとして発展。
1945年2輪メーカーを新たに設立する。
28年間で37の世界選手権のタイトルを
獲得した当時のタンクマーク。
航空機メーカーの名残りかブルーの翼が
描かれている。

実車諸元 空冷単気筒 排気量125cc 12hp 10000rpm 4speed

小排気量。これは250cc未満の車両を指していますが、
レーシングマシンのクラスとしてとらえると、
175cc・125cc・50ccと三つの区分となるでしょう。
もちろんこの他に1950年代の初めには150cc・100cc・80ccなど、
その中間に位置する実用車やスポーツ車が数多くありました。
ヨーロッパのなかでも第二次大戦後のイタリアはその軽量車に傑出した
マシンを数多く輩出しており、その性能や技術的な特色も大きな魅力ですが、
なんと言ってもそのデザイン、スタイルに眼を奪われます。
本来コンペティションの世界では勝つことが絶対条件ですが、
さらに機能美と造形美が付加されているのでしょうか。
今回は私の好きなイタリア軽量級のなかで、
ベスト5にランクしたいMVアグスタの125市販レーサーに挑戦しました。

実車は元々フジミュージアムに展示されていましたが、
現在はホンダ茂木サーキット内の博物館に
引き取られ完璧にレストアされて展示されています。是非見学をお勧めします。



資料を集める

0年くらい前でしょうか、同じMV125のフアクトリーレーサーBialberoを作るときに
(別項ギャラリー掲載の作品)ある程度資料を集めて準備していました。
このマシンは市販レーサーのため、数多くのパターンがあり資料内容も多岐に亘ります。
主要部品が取り替えられていたり新たに付け加えられているものなど、
どれも実車にあって正しいものと言えるでしょう。
したがってひとつのモデルを設定し、できる限り市販時の状態を想定しました。



参考資料1


月刊 別冊モーターサイクリスト、1982年11月号
月刊 別冊モーターサイクリスト、1983年10月号
英誌 Mウォーカー著イタリアレーシングモーターサイクル
増刊 ライダースクラブBespace4号
英誌 Mウォーカー著MV・AGUSTA
単行本 ネコ出版 MV・AGUSTA
英誌 クラッシックレーサー隔月刊に若干掲載


この他、1960年前後の雑誌オートバイ・
モターサイクリスト等にも散見できます



参考資料2


英誌クラッシクバイクの2003年25周年特別号に
掲載された10ページの特集記事
貴重な詳細写真が多数ありました。


参考資料3


モトグッチ・ルマンUでクラッシクレースにも参戦している松永さんが、私のスクラッチ計画に協力とわざわざホンダ博物館で撮影いただいた細部写真です。製作を進めるなかでとても助かりました

しかし、この写真集から私のミスが発見されて後述の意外な展開となりました。
1、製作図面
今回は、思い切って手抜きをしました。前述の松永さんからWEB上で三面図がありますと連絡を戴き
コピーをとり、1:9に調整したものを使いました。あとはラフスケッチで部品の形状を書き出してサイズを実寸型紙で用意しました。
手順は別項のセッテベロ175とほぼ同じやり方です。



インターネットで取り寄せた三面図の一部です。


スケールダウンしてさらに書き込みしたり随分汚くなっていますが、
正確な図面を容易に準備できました。
しかし、必要なマシンの資料が全て揃っているということでは
ありません。今回は全くの偶然でした。


2、フレームつくり




プラロッドの曲げ加工はやはり治具を使わないと、
正確な組み上げができません

この形状で6種類のRの加工が可能です。
最初に必要なRを二つ作り順次、
継ぎ足していくとこんなになりました。

プラ板の曲げにも利用しています。
10年くらい使っているのでしょうか



フレームの形状に必要な曲がり部分を別々につくり、
平面図面にあわせて直線部分で継ぎます。
芯材は06mmの洋白線を12mm前後使って
瞬間で固めます。

完全な片側を作成したらそれを治具にして残りの片側を
合わせる法が正確です。
図面から同一の形状を別々に作ると、
微妙な狂いが出て、見て分かります。
乱暴ですが1mmの誤差より見た目の
左右同じが良いのではと思います。




2.5mmプラロッドと3mmロッドでフレームを作ります。


エンジン搭載のラグは仮付けです。


実はこのフレームは致命的な誤りがあって
あとで作り直しをしています。

3、エンジンまわり



市販レーサーはSOHCですからワークスの特徴的な
T字型のカムトレインがありません
2mmプラを2枚重ねてケースを作ります。
10年前に作った手順で意外に容易にできました。

真っ赤なフライホイルが露出する左側ケースこの市販レーサーは
公道レースにも参加が前提で、キックペタルの軸があります。
オイルシールのゴムが覗けるようで厄介な構造ですが、
それが表現できるように加工してみました。




以外に手間をとるオイルクーラー
エンジン下部に設定されて側面からはほぼ見えませんが、
オイルポンプの配管がこのケースに繋がれます。
手抜きが出来なくなりプラ板を丹念に削り張り合わせています。



リンダーとシリンダーヘッド
今までフィンには05mmのプラ板を使用していましたが
流石125クラスの小さいシリンダーでは厚ぼったくなり
縁周りの加工だけだは誤魔化されなくなりました。
結局03mmを使いスペース部分は05mmとしてまとめました。
これはこれで良かったのですが、先に作ったワークスマシンの
エンジンと並べると全く別のエンジンになってガッカリしています。


苦心して作ったシリンダーヘッドとクランクケース右側部分の写真が
私のミスで誤ってフォーマットして消失しました。
完成写真から素地を想定下さい。
バルブスプリングを除いて全てプラ材から構成しています。
4、フェールタンク・オイルタンクとシート



全て2mmプラ板を積層したソリッド状態から
削りだしました。

Fタンクはきわめて複雑な曲面をしたくぼみが
あって手馴れているつもりでも整形には
時間を要しました。

Oタンクは表面に3本のリブがあります
このマシンの特徴部分でもありラインを
張ってから表面を慣らしています。

シートも同様にソリッドから加工します

右下はFタンクのキャップです。
これはアルミ板1.5mmから削りだしています。
松永さんの指摘で緩み止めのワイヤーリングの
穴を忘れないようにと駄目を押されていました
のでエアー抜きと併せて加工しています。
初めて7mm程度の平板金属加工に挑戦
しましたが難しいと思いました。

5、その他の部品つくり

バルブスプリング

タペットカバー

オイルポンプ

回転計カム

フロントフォーク

その他の小物類




この他にチョークレバーやガソリンコック等を
アルミ材で作りました


今回の製作に新たに作った金属部品
の大部分です。プラモでは無いような気分に
なり少し反省しました。



DスプロケットはコスモさんのSPパーツです。

6、デロルトのキャブレーター (いつもジャンクや他のキットから転用していましたが)



前述の松永さんから教えていただいた、
デロルトキャブの代理店からネットで
取り寄せたSS−1/27mmの資料、分解図面もあります。



数日後、松永さんから図解した絵と必要な細かい部品が届きました。

おかげさまで赤恥をかかずに済みました。
この絵は小型の額に入れて飾っています。




そして毎日手を合わせています(大嘘です)


なんとかキットらしきものが出来上がりました



いつものように全てのパーツをまとめました。

右上のフレーム仮組みは新たにシートレールを
改修しています。


ここまでの作業はほぼ100時間以上
約50日程経過しています。
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