Modeling note  SPECIAL      file 20
MotoMorini Settbello 175  Formula 3 race       復刻製作   
 
 この作品は9年程前、私がプロタージャパンのHPに始めてスクラッチ工作の過程を「案居楽業」”セッテベロ製作記”として掲載させていただいたものです。2005年、自分のHP現在の「MOTOMODELING]を立ち上げたのですが、私の作品としては掲載していません。今はいわばお蔵入りとなっています。
当時、プロターの岡部社長、Kim’輕部さん、不老隊の青年部?そして、たくさんのプロターフアンの皆さんから資料提供を含めてご支援頂いて完成した私にとってはとても想い出の深い初期の1台です。(プロターのHPは現在閉鎖して見る事が出来ません。)
先般。常時閲覧されてる方からメールを頂戴しました。「作品本体があるのなら再掲載を要望したい」。写真撮りして追加するだけの事だから気楽に考えていました。
ところが大変、久し振りに見てまさに驚きでした。というより恥ずかしい一念でした。作品の経年変化はあまりないのですが、一部(あるいは全て)の部分で誤り、手抜き、雑な工作など、到底そのままで公開できるものではありませんでした。10年近くも前の事ですから、ともかくそれらしく早く出来上がることが目的になっていたように思えます。
いつもの反省点ですが、やっていけない工作を「これでいいだろう」妥協した部分はほぼ浮き彫りになっています。イタリア車製作が続いているので、併行作業として新しい資料をもとに大補修に挑戦しました。しかし実態はお伝えするように再製作以上のの結果となりました。

 今までもそれとなくお話したように私自身がイタリアの小排気量車や中間排気量の競技車が好きで、レースもクローズドサーキットより公道を走るマン島、ジーロイタリアに魅力を感じています。
最初このマシン(セッテベロは日本ではマイナー車種でしょう。所有していらっしゃる方もいます)
を手がけたいと岡部社長にお話したら「モリーニは分かる、何故セッテベロ175なの?」と聞かれて困りました。
Milano−Tarantoが公道を走るGirod’Italiaレースでセッテベロはいつも好成績を上げているから・・・・・・
しかも市販車ベースのマシンで・・・・・ひ弱い感じだがモンツァでも優勝できる・・・・・
結論、私がセッテベロをとても好きだとご理解下さい。そんなことから何としても大改修を加えてHPに複刻版として新しく掲載をさせて頂くことにしました。はじめに旧型デジカメで撮影した完成写真とセッテベロの素晴らしい競技成果を参考にしました。
                        柴田一彌

参考写真
1954年にセッテベロ
(カードゲームの札のひとつで7個のダイヤ集まり)が市販マシンとして登場。基本性能はプッシュロッドエンジンながら16bhp最高速度約140kmh。当時のイタリア製175cc級では平均的な仕様のようです。
 MORINI TEAM の戦績  (1957年以降国内交通の秩序i維持から公道レースの形態は中断されました。)
1950 125cc  5th 8th 9th 10th 13th
1951 125cc  11th 14th
1952 125cc  11th 15th 16th 18th 19th 21th 24th 26th
1953 125cc  7th
1954 125cc  17trh  175cc 10th  175ccRACER 5th 6th
1955 175cc  1th 3th 6th 7th 9th 16th 20th 24th 25th 27th 28th 32th 37th
125cc  19th
1956 175cc  3th 4th 7th 9th  sport175 1th 2th 3th 4th 
175cc  MSDS class 3th 4th 7th 11th 14th 15th 16th 19th
写真4枚  2002年、最初に挑戦したイタリア車のスクラッチ作品セッテベロ175の完成写真。当時はそれなりの出来上がりと思いこんでいたのですが、今見ますと細かな誤りや手抜き連続で、むしろ長期間、お蔵入りで良かったのかも知れません。
(完成時に撮影したものです) イタリア国内ロドレースF3仕様ですが側面の競技番号が手抜きになっています。
 改修作業 ブロックごと問題点をあげて部品の再製作を含めて、出来るだけ対比させながらお伝えします。
前後輪ブロック((最初の製作分)

1、ハブを前後ともモリーニ250から転用したので巨大なドラムになってしかも形状が全く異なる。

2、前輪スポークの組み込みが単純交差でかわしている。

3、リムがすでに一部溶けてきている。

4、前後輪ともに正しいものに再製作する事からスタートするしかありません。
ハブ回りの再製作

ブレーキドラムは薄いフインで構成されており、ハブ外周ギリギリまでサイズ。後輪ハブは(写真省略)さらに直径で2mmほど小さい設計に。

ドラムは04mm03mmのプラ板で、
ハブは1.2mm05mmの張り合せ、
プレートは1.5mm2mmの張り合せで、
再製作した前後輪

リムはコスモ36穴ナロウを使っています。従来のブレーキハブが
巨大過ぎてアンバランスであったか。
これで何とか資料とおりの数値になってセッテベロらしくなってきたようです。
フレームの改修

イタリア国内のレースレギュレーションF3の出場マシンを調べていくとフレームのバックボーンに改修あるいは補強をされているのが散見されます。どうせここまできたらと、写真下のようにバッボーン部分にチューブ(白色)を被せました。
写真右下が補修して高圧コイルの取り付けラグの工作を追加再塗装しました。(模型の世界とはいえ、ただこれだけの事でフレームがガッチリと決まりました)
キャブレタの新旧です。

左 最初の工作
右 新規製作
はじめのキャブは確かジャンクからボデイやフロートに似たような素材を探して、それこそらしきものに仕上げたようです。エアフアンネルは電線の接続用を。
新しく工作したものは、ボデイサイズ径も正しく縮小、キャップもキチンと溝切りをして、アイドリング調整ネジも追加しました。エアーフアンネルは私の旋盤技術では工作不可能と判断して今回コスモ社製を使いました。
ステアリングまわり

ハンドルバーは何のジャンクを使ったのか覚えていません。いずれにせよタコメーターに速度計の表示はあまりも無神経でした。
また回転計の位置も違っていました。
左が最初のクリップハンドル。

右が新しく製作した分です。
前のクリップハンドルが使えないので新しく工作しました。
写真の掲載順序がチグハグで説明もおかしなものになっています。
ステップ

 新しく工作したステップ。素材は2・5mm径プラです。

 当初のステップ。何とこちらは素材アルミ2・8径で製作したのですが、工作精度の面で論外です。
高圧コイル

 新しく製作した高圧コイル。

 最初の製作品、外径が極端に小さくて色もありえない
  今見てみると本当に恥ずかしい限りです。
写真左 フロントフォーク
ここは古い部品をバラバラにしてサイズを正確に縮小、ボトムケースエンドも新たに追加、さらに光沢のある色に再塗装して仕上げています。
シャフトは独特のT型(角が出たもの)ですから再製作しています(アルミ製)

リヤーシート関連
左下の左
 エンド部分を拡げて正しいテーパー状に改修した後です。
クッション部分、左が最初の製作品でストッパーの傾斜角もシート幅も正確ではありません

左下の右 大きい時は切り取って工作しますが、小さい時は再製作しかありません。横幅と高さ、傾斜角を資料縮尺のサイズで、僅か1〜2mmの問題ですがこんなにも大きく変化します。
不要にになった部品類

製作には延べ数十時間を要したのでしょうが、ここまでの作業これだけの駄目部品がでました。製作途中、不明点は判っているのですが、簡単に「まあいいか」と作り急ぐと、結局愛着の湧かない作品に終わる事は明白でした。反省の意を込めて記録しました。


次回 完成編の予定です
エンジンは問題が見当たりませんでした。補機類の追加と架装で終わります。新しいセッテベロ175慎重に完成させるようにします。
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