Modeling note file 5 

7月20日
 第3回 フレームつくり 
 第2回でお伝えしたように、エンジンブロックの基本形ができたので、それにあわせてフレームをつくります。今回のBMWのフレームは曲線が1箇所後はすべて直線の組み合わせの構成でとても簡単な構造です。しかし詳細に調べていくと異径パイプの組み合わせも含めて、リア側のブランジャーサスペンションを支えるナックル部分や、補強用の細かいサブフレーム、更にエンジンハンガーなど精度を要求されそうです。当初の予定では約20時間で1週間程度と思っていましたが簡単には出来ませんでした。十分時間をかけるべきだと妥協と納得をしながら進めて行きました。
 
最初にフレームつくりに必要なプラロッドを失敗なく曲げ加工ができる特殊工具?をご紹介します。 

 特別な工具ではありません。オーディオアンプ製作用にと購入していた、アメリカWeller社製の半田こてを改造したものです。実は20年程前ブランド名につられて29ドルで購入したのですが117V仕様で熱量がやや不足だったので転用しました。

写真は見難いかもしれませんが通常のこて先と呼ばれる部分の尖ったところを切断して、内径12mm程度の鉄製パイプを針金でキッチリと縛っています。パイプとこて先の接触面積を増やせば温度は上昇しますが、経験ではこの程度が一番加工が容易のようです。市販のこては40W未満の過熱防止つきをおすすめします。
実際の使い方ですが、先ずこてを卓上バイスなどで固定します。通電後3分くらいで柔らかくする適温になります。曲げたい部分のRの中心に鉛筆でマークしてパイプのなかに入れます。パイプのなかでプラロッドを廻す必要はありませんほぼ均一に熱せられます。7〜9秒程度柔らかくなります。(曲げられる状態に)ロッドをパイプに接触させないようにして慌てず引き出し用意した冶具にあわせて曲げます。

水平使用の場合、曲がり角が鈍角で緩やかな状態が適しています。柔らかさの判断ポイントはロッドが水平状態から少したれてきます。放っておくと外側の加熱パイプにあたり溶けます。加熱してもプラの表面の色が変化しません。水平使用の場合、薄いプラ板08mm以下であれば1cmくらい上面にかざしてやれば焦げ目なしで小物の曲げができます。

1〜2mm以上は時間がかかり慣れたら100円ライターが使いやすいかもしれません。
使用例2の場合
縦型にこて先をセットします。半田付けなどに使う自在スタンドにロッド挟みます。これはパイプの間から上昇する熱気で短い時間でも指先が熱くなりつまめなくなります。逆にこの現象を利用して大きなRの曲げや、きつい角度を要求される加工はこの方が良いでしょう。こちらは垂直に下がっていますから過熱時間を長く(2秒前後ですが)することが出来ます。ただしクリップからロッドを外すときに若干手早くしないといけません。スクラッチ製作を開始して直ぐさまこの治具を用意しました。

勿論毎日使う道具でもありませんが僅かな投資でプラ素材の曲げ加工と樹脂と熱の関係が良く理解できます。
そんなことでフレームは金属パイプを使わず(技術不足が大きい)にプラばかり頼って進歩がありません。

少し慣れることが必要ですが、素材のままで焦げ目も溶かす事も無く脆さも抑えて、左右完全対象に曲げる事ができます。

今ではロッドの曲げ誤りは皆無でほぼ計算値の材料で終ります。しかしこの方法でもフエンダーステーに使う1.2mm程度のプラロッド加工は無理です。
あくまで2mm以上5mmまでが限度です



 一方通行の話が長かったのでチョット休憩です
今回資料整理で見つけた面白い写真です。49番のマシンに9番のゼッケンを重ねてのデモランです。少し太めですがどっしりしたライデイングフォームは見事です。

1979年マン島TTパレードにおける
G・マイヤー



1983年クラシックレーサーから
 BMWのフレームに使うロッド一覧です
 ステアリングヘッド  5mm径  タミヤ   40mm使用 
 センターメインフレーム  3.2mm径 EG社  80mm
 タンクレール  2.5mm径 EG社  70mm    
 フロントダウンチューブ  3mm径  タミヤ   120mmx2
 リアフレーム  2.5mm径 EG社  50mmX4
 サブフレーム  1.6mm径 EG社  40mmX4
5種類ほどのプラロッドを曲げ加工したあと平面図にあわせて原寸に切断します。
上の写真はエンジンブロックでフレーム幅を決定させて骨格を組み立てます。
材料表にはありませんがリアサスのブランジャー支え部分は2mmプラ板を曲げて
下側を丸いパイプ状に加工しています。分かり難い部分でしたがほぼ同じR51のフレーム
の実物を見せていただき納得しました。
フレームの完成品です。
横側のトラス部分は着脱できるようにしています。エンジン搭載後に固定です。
ステップが前後2箇所あります。
後のステップは直線路で前屈姿勢をとるときに使うそうです。よほど確かなハンドリング性能だったのでしょう。

リアサスに連動しているL型の板は
サスペンションの可動を調整するダンパーの一種で穴には大きなツマミがつきます。

センターの突起はサドル取り付け部分その後方の突起はサドルスプリングの受け皿です。
ブランジャーサスペンションの構造です
最初可動させてみるかとか考えましたがとてもそんな勢いは
なくなりました。写真は構造材なのですが、実はゴムカバーが
被せてあります。こんなパーツは作れませんので資料に金属カバー
を使ったものが無いかと随分調べましたが皆無でした。
厚顔の私でもこれは誤魔化せないと覚悟を決めて代替品を
探しました。
エレールの1:8のキットなどおよそブーツゴムの付属して
いるようなものをひっくり返しても適当なものが見当たりません。
最悪の場合はプラ板11枚くらい積層する。あるいは前の完成品を
つぶすとか馬鹿な結論で旧作を見ていましたが、気付きました。
2台目のBMはアールズフォークに改造しているから、どこかに
残っているかもと、再度ジャンクやキットを徹底捜査しました。
始めから使っていないのでゴム類のランナーにぶら下がったままで
ビアンキの変なゴムシートと一緒に発見しました。

今回製作に入って一番うれしかった出来事ですが、あまりにも
スケールの小さい話でお恥ずかしいかぎりです。

右が前輪用です。左が上下を加工して出来た後輪用です。
 次回はエンジンを完成させて、更にタンクとシートにかからないと8月完成があやうくなりそうです。
 7月28日 第4回 ガソリンタンク・シート他

エンジンはプラ素材のままですが、ほぼできあがりました。第3回で次はエンジン完成と予告しましたが塗装が出来ていません。出来なかった理由は塗色が判然としないのです。エンジンを構成するエレクトロン社マグネシュウムの色一体正しいのはどんな色合いなのか悩みました。
このエレクトロンマグの実物を見たことがあるエンスーのNMさん曰く
「本来エレクトロン社のマグネシュウムは金属素材の表面が空気に触れると酸化して極く短時間で黒っぽい半艶状の色に変化したもので、他のマグ素材のように酸化防止に塗装されているのではありません。決してキレイな色でもないし見る角度ではゴムのような色にも見えるでしょう。どぶネズミ色で忠実に表現してもただ汚いだけになるので、ある程度、模型的な工夫が必要でしょう」とアドバイス戴きました。
プラ素材は何日待っても酸化して色が変わることがないようですから、早急に色テストを繰り返して決断をしないといけません。(そんなに大上段に構え無くてもとも思うのですが、やはり気になる重要なポイントです)そんなことから順序を変えてタンク・シートの工作を優先しました。

 ガソリンタンク
ガソリンタンク

ガスタンクはプラ板積層のソリッドから削りだしをしていましたが、今回は全体的に重量が増加する見込みです。展示状態でステップの負担を考えて何とか軽くするために中空構造にしました。2mmプラ板と1mmプラ板で切り出したものを重ねます。
斜めのトラス状の構造材がフレームのタンクレールの部分になります。ニーグリップ部分はこの段階で荒の整形をしておきます。接着はプラセメントで仮組み、そして15分間経過して瞬間接着剤をたっぷり流しています。
2日間ほど完全接着を待ったあと荒削りをして整形。タンク後方のサドル部分の切り込みをします。接合部分のリブを表現したり給油キャップ周辺の位置決めや盛り上げ加工が残っています。
可愛くないガソリンタンク。それは形状ではありません。給油キャップが左右それぞれ2個ついています。コックなど出来ればキットから転用したいのですが、実車では透明のフイルター付きのようです。ともかくタンクが固まればシート(サドル)つくりに作業が移行できます。
シート(サドル)の加工

シートと呼んではいけないのだろうと思いあえてサドルと併記しました。戦後のストッパー付きのレーシングシートであれば何とかこなせるのですが、悪い癖がでてジャンクの中からトラのシートを発見して、OKとか叫んでしまいましたが所詮サイズも形状も違います。曲げ加工で新に作りました。
1.5mmプラ板をライターであぶりながら少しずつ形をつくります。後方の山形を先に曲げて、そのあと前方の落ち込みと後方のせり上がり、そして中心部分の左右を下に曲げこみます。厚いプラ板を使いますと柔らかくなるのもユックリですが、曲げこみも思ったより上手くいくようです。プラ材の厚みの範囲で低い部分を更に削り込みが可能ですから気楽にトライしました。
サドル上面の整形が終ると、同じプラ板1.5mmを使って側面をはります。少し余裕のあるサイズで貼ったあと裾の部分と上面を切り取る方が結果がいいと思います。最初に型紙作りましたが、カーブしていくため次第に内外の距離差が出て上手くいきませんでした。また上面の突合せの部分は相当丸く角を落すために削り込みをしますので予め裏側から1mmの角プラ棒を補強に貼り付けておきます。
大方の形を整えたところですが、このサドルの材質は実車ではゴムが使われているようです。ミュンヘン展示分は裾部分の膨らみかたや色合い、縫い目が無い事から、そうだろうと判断しています。またレストアされたマシンではほぼ皮貼りに変えられているようです。解明したら修正をすることにしましょう。
ラバー製サドルらしくするために、裾の部分に丸い膨らみをつけます。
05mmロッドを中心から貼り付けていきます。
リアフエンダー上につけられている補助シートは1.5mmプラ板を使って作ります。ここではシート表面と側面の台座部分を別途に作りました。シート表面に玉縁という丸みのある折り返しがあります。05mmロッドをキッチリ落としこむために窪みを作るためです。簡単にいうとシート部分を少し小さく作りその隙間にロッドを埋め込んでいるだけです。

下側の写真左が裾に丸みをつけたサドルの完成部品です。写真右が玉縁加工を済ませた補助シートの完成部品です。


 何れも未塗装です。
レストアされたコンプレーサーは、大胆にバーハンドルからクリップに交換されているものが資料から見受けられます。ですが車番(1)のマシンを前提にしているので、バーハンドルのボスを用意しました。2mmのプラ板から切り出して締め込みの切れ目を入れ、2mmのアルミ棒ハンドルを通してネジを締めると固定できるようにしています。

此処までの作業のなかで一番面白かった部分です。1mmのボルトがあれば最高なんですが。
 今回は地味な部品つくりばかりでした。次回はエンジン完成を目指します。
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