MODELING NOTE  File 31
 
 Manx Norton 1960  production racer ともう1台のノートン  連載回数未定                   プロターキット
冬の空

師走とともに冬景色にかわってゆきます。
今年、福岡は暖かい気温が続いたせいで樹木の紅葉が2週間以上も遅れているそうです。毎日のウォーキングコースにある樹林も少し色がついたくらいです。午前7時、少し朝寝坊して遅めのスタートでしたが珍しく快晴で、ブルーの青空が朝日と重なって素晴らしい色合いでした。空の色を見てちょっと感動したのは久しぶりの出来事でした。



おかげさまで閲覧いただいている皆さんの応援で、作品の内容は別にして製作台数だけは積み上げることができました。
年末から取り組みますと完成は翌年となり2年間の長期にに亘る大作?にはなりません。お正月で工作に遅れが出て予定通りに運ばないかも知れません。よろしくご理解くださるようお願いいたします。         柴田一彌
 12月11日 工作室の棚板の奥からスタートしました 第1回
マンクス500

ご説明するまでもありません。プロターキット#109ノートン500の完成品です。新作ではありません多分1980年(約32年前)頃に製作したものです。
モデラーの皆さんが使う言葉で表現しますとキット素組のレベルに展示スタンドだけ真鍮ロッドで特製とか言いながら喜んでいた記憶があります。
良く見ますと、生意気にもアルミHリムまで履いています。

この作品はホームページ上では掲出していません。
理由は出来の悪いお蔵入りグループのメンバーの一員だからです。
本当は英国車嫌い?

マンクスこそTTレースの原点とまで思い詰めていたのですが、モデル工作では出来上がると覚めてしまう感じでした。多分実車があまり欠点らしきものが見当たらないレーシングマシンの教科書的な面が面白さにつながらい。頑なに守り続ける古典的なエンジン構成などが理由かも知れません。モデルとして見た場合、実車を1:9スケールダウンして全体像が良い雰囲気で伝えられる数少ない1台であることには間違いありません。

悪い意味でのクローズアップ写真です。
マンクスの売りはエンジンブロックなのですがシリンダー、ヘッドそれぞれフインが浅く油冷エンジンみたいです。まだ夢中で組み上げて喜んでいた時代ですからプラグコードもオイル配管も一緒とか、各部品の色合いを含めて間違い探しの材料のようです。
いい形をしているのですが、作り込みをしていないとこんなに恥ずかしい作品になるという一例です。
右側面であれば少しはましに?

やはり全体像は素晴らしいのですが排気管の微妙な垂れ下がりが全てを駄目にしています。エキゾートのフランジの加工で解決できていたのに、当時は突起があればそれに合わせる方向だったのでしょう。アクセルワイヤはすごく大きいチューブを使っています。右側もとんでもない間違いのオンパレードです。
タイヤにはうっすらとカビまで派生していました。
さらにクローズアップで

圧着タイプのデカルで何度も失敗していますから、安全第一で外枠一体で貼り付けています。年輪を重ねて少し黄ばんでいます。よく見るとオーバーコートもしていないようです。随分いい加減な仕事していたと思います。いずれにしても隠しておくくらいなら廃棄する、ところがそれは絶対に出来ない、であれば少し改修してでも復活させるか(アルミリムのためにも)と思って今回のスタートだったのですが。
これはジャンクボックスにあった同じくノートンの部品の一部です。デカルは完成作品に失敗を理由にして使われています。
探せばその他のパーツも出てくると思います。
お恥ずかしい話ですが発売当時は舞い上がって3台のまとめ買いをしていました。キット素組とか偉そうな事言っていますがこのエンジンが最初の失敗作でした。

遠回しになりましたが英国車が嫌いではなく、マンクスの失敗からノートンにはトラウマ現象になっているのかもしれません。
ですからノートンコマンドの完成作品も同じようにお蔵入りメンバーで作品棚の片隅に込めやられています。

さらに未開封のキットも残っています。
最初の作業
ともかく改修と決めたからには作業開始です。
当初の予定通りシリンダー、ヘッドを組み替えることから着手しました。
エンジン全長は変えることができませんから、決められら高さのなかで、正しいフイン枚数を割り振りします。またフインの間隔も見た目で重要です。むしろ正しい数値より感覚的にらしさが判断されるようです。そんなことで予め割り出した数値でサンプルをつくり雰囲気テスト?を重ねてみました。キットのフインが1枚過剰になっていますから差引してみると、ヘッドフインは04mm厚、スペーサーになる部分には07mm(03+04)で組み合わせました。
計算上、全高で03mmの差異で収まるのですが、接着材の関係もありますから、ステップごとで確認しながら進めます。
あるいは全面戦争の気配

手順としてスペアエンジンで組み上げて後で積み替える。
いずれしても既存の完成品は解体しないと組み上げができません。
30年の年月は風防の色まで変わっていました。
おまけに排気管は継ぎ目なしに変わり塗装はまるでサンドブラストのようになっています。いずれも素組と言いながらも部品を変えている部分です。
これでは、果たしてエンジン改修だけでは終わりそうもない予感がしています。
当初予定していた改修部分

シリンダーまわりで終わる予定がよく見るとキャブレタもマニホールドも新たに作るべきだと、次第に深みにはまりそうです。
少しだけの救いは、カムシャフトのカバーにアルミロッドを使っているくらいでしょう。
接着は簡単ですが

エンジンはカム周辺の部品はそのまま再塗装して使いますから、慎重に取り外しています。30年も接着したままの部品はそう簡単に外れてくれません。もちろんその前にタンクも降ろさなくてはいけません。
「ポキッ」「カチン」の音が出るたびにどこが割れたか、折れたのか、と解体作業はいやですね。

よく考えると接着部分にこだわる必要は本当は無いのです。
カミソリ鋸で切断して不足部分は新たに作り足せばOKと気付いてから作業が大胆になって早くなりました。
ガソリンタンクを見てから迷いが

ロゴのデカルの黄ばみが若干気になります。新しくデカルを作ってタンクの再塗装までやるか、現在思案中です。
ところがここまで来てまた、
とんでもない方向に向きそうで困っています。
タイトルにありましたもう1台のノートンです。折角エンジンの基本素材があるのに利用できないだろうか。「マンクスを年式を変えて2台つくる」「シーリーマンクスに」・・・・・しかし思いつきで取り組んだものはあまりうまく行ったことがありません。
どうしてもこれを作りたい!製作目標が完成への必要な条件でしょう。

現在、頭の中は支離滅裂状態ですが、早急に何とかまとめたいと思っています。
それでもエンジンはつくろう

昭和世代のもったいない思想(都合のいい時だけ理由付けに使う)で
シリンダー、ヘッド用の素材を2台分準備しました。
これでエンジンが2台揃うと後退できなくなります。


師走の慌ただしいなか、模型の事ばかり考えていていいのでしょうか。ヒンシュクものです。余談ですが今日はソフトバンクホークスの優勝パレードがあってTV中継も予定されています。ご贔屓の某球団は訴訟合戦が開始されました。情けない話で何とか野球と縁を切りたい気分です。

次回につづく


 12月22日
  とうとう
  解体作業に
   なりました
    
    
第2回

        
エンジンを降ろすとその他の部品が次々と壊れて収拾がつかないようになりました。 とうとう腹をくくってともかくマンクス500を復元させないと「もう1台の」なんて呑気な事が言えなくなりました。
マンクス決定版はすでにKimsハウスのゴットハンド杉田氏が素晴らしい作品 を発表されています。
到底あのレベルには届きませんので適宜(いい言葉です)割愛を加えともかく短期間で作業を終わらせたいと思っています。 今回改修のマンクスはあくまで「もう1台」の脇役と考えています。


早朝ウォーキングで歩く人工樹林道が3週間遅れで紅葉しました。
シリンダーとヘッド

用意したプラ板切り紙細工を積層してまとめて2個のシリンダーを作りました。側面の写真がプラ素地のままでよく見通せていませんが、シリンダーライナーの線がきれいに見えるようしています。ノートンエンジンの側面での重要なポイントになります。クランクケース底部からヘッドまでの逆富士?勾配がキットの場合やや緩やかなので上部で1mm大きくしてそれらしくバランスを取っています。


ヘッドフインの問題(写真下左)

カム台座の部分のフインは形状的に工作が面倒と判断してのキット付属の部品を切り取り転用しました。予めプラグ台座などは3mmロッドで穴埋めしています。
シリンダーヘッド

左のフインと重なります。
トップフインの厚みが大きくキッチリした厚さにまで合わせると計算値から少し狂いが出てきました。
フイン横幅1mm大は許容値の範囲内で収まります。
ジネレーター

これもまた2台分を並べています。
初期のキットですから割り付けがいろいろあっておもしろいですね。ともかく標準的な形状まで手を入れることにしました。プラグコード取り出し口や上蓋、プラグキャップなどの追加と全体的に形状を揃えてみました。最初作った時には興奮して組み上げるだけで精一杯だったのが思い出されます。
クランクケース

部品が溶けるくらいの大量の接着剤を付けていたのでしょう。解体中に欠損が出てあちこち補修をしています。
キャブレタ

1台のキャブが見当たりません。いずれにせよ少し形状が異なりますから1個新しく作りました。
左側「もう1台の」マシンはWフロートでボアも2mm大きくなる予定です。
菱餅のようなものはインシュレーターです。キットの蛇腹状の型が使われていたのは短い期間です。

現行の資料に準じました。
フレーム

成型プラ素材の材質もいろいろあるようでフレームに使われている黒プラは経年変化が少なく現在でも十分加工可能でした。フレームだけ見事に残ったのですが、今回はサイドゼッケンを予定しているので取り付けラグの残っている新しいフレームを使用しました。
カウリングレスにするとダウンチューブの中間のある大きなカウル留めを削除することになります。これがなかなか面倒で、先に穴を塞いでから大きな出っ張りを削ることになります。少し慌てたので想定どおりそこからポッキリ折損しました。そうなると補修の芯線のセンターが狂ったりして・・・・とても無駄な工作を強いられます。
そんなこんなで、ぶつぶつ言いながら修復が終わった新旧のフレームです。
ミニカウルとゼッケン

製作当時は資料も不十分で黒一色のミニカウルにアクリル透明板をつけていましたが見事に変色していました。当然、当時のゼッケンカラーにしてサイド側にも追加しなくてはなりません。少し早めに04mmプラ板(キットには付属)で別途に作りました。
写真では少し見え難いのですがグレイの下敷きの上にある透明の湾曲したプラ板がスクーリンの素材です。瞬間接着剤の外装ケースから必要部分を切り取っています。(5個購入して使えるが2個ありました)現在ホワイトサフを吹いて下準備中です。
ステアリング部分

プラロッドのフロントフォークは解体中ポッキリおれました。
あわせてアンダーブラケットの右端も。小物ジャンクの箱から出てきました「純正部品」とか言って喜んでいましたが、フォーク変更はハンドルを含めて一体改装になります。
しかしタコメーターも交換する必要があり時間はかかりますがやり直しと事業仕訳決定しました。
フロントフエンダーとボトムケース

この部品はそのまま使える状態で外すことができました。
事によると接着をしていなかった?かもしれません。
傷一つないので水洗いだけでそのまま使えそうです。あるいは手間は一緒ですから塗装だけやり直してもと、余裕のあるところを見せています。


ともかくあまりぐずぐずしていられません。ある程度割り切りで作業の線引きをしないといけません。
前後輪

やっと何も手を加えなくもていいと決まった部品です。
水洗いして軽く乾布研磨すれば十分の状態です。

タイヤはサイド部分のパターンを少し削って形を整え、カビ取りのために石鹸水の中に浸しています。
ストッパーシート

シートの予備も出てきましたので実験的に革張りにと考えてみましたが多分間違いなく失敗するでしょう。とても先輩たちのような出来栄えはあり得ません。ここは手堅く自分の工作レベルに合わせて塗装処理にしました。特徴的な縫代の玉縁を追加してみました。未塗装ですが全面黒仕上げになります。
再登場ブラケット

前述のタコメーター、スミス製メーターパネルに合わせてボデイを工作しました。トップブリッジのボルトを削り出してFフォークにキッチリ収まるように準備できました。残ってる主な工作はオイル配管とタンクの仕上げ処理です。もう少し考えてみます。


今年最後の製作記が古い作品の改修記事で終わり誠に申し訳ないと思っています。短い1年、長い1年と想いは分かれますが1年間を通して閲覧とご支援ありがとうございました。
良いお年をお迎え下さい。
             柴田一彌
 Modeling  note  もくじにもどる つぎのページに(第3回) トップページにもどる