MODELING NOTE  File 30
 
 Mondial Record  50cc Racer 1964 連載5回予定              フルスクラッチ作品












 モデリングノートでは主にフルスクラッチの製作記事を中心に30回連載してきました。
しかし私の技術的な問題、必須素材タイヤの調達、製作マシンの偏りなど次第に狭い範囲に追い込まれています。記念作品などと大層な事を意識としたのが間違いでした。
今回のモンディアルは私の好きな卵1個の排気量50ccです。
思えば50年以上も前に外誌で見たモンツァレコードの流麗なスタイルをいまだに忘れることができません。モンディアルはイタリア車の中で、どちらかと言えば機能優先のデザインを重視しています。しかし、この2ストローク50ccのRECORDとSSV4の2機種はやはり異色ですね。残念なことにモンディアル社は60年代でレース撤退、74年全事業を閉鎖していますが、イタリアを代表する熱い2輪メーカーであった事に間違いありません。

 今回の製作テーマはきわめて単純なものになりました。工作編で重複するかもしれません。キットの箱を整理していましたら古い極細のタイヤの前輪だけがでてきました。多分最初の頃のクライドラーに使われていたものでしょう。改訂版で最終発売された、スズキRK・モリーニのタイヤと比べると全く別物です。市販車ベースの50ccレーサーには誂えたようなものです。但し経年変化で相当固くなっていますが金属リムであれば何とか収まるでしょう。
そんな事から出来る部品から作りやすいところからランダムに工作をします。
一貫性の無い製作記になりますがお許しください。
                                  2011年10月   柴田一弥

 10月16日  フロントまわりの部品から 第1部1回

後輪ハブとブレーキドラム


工作対象マシンは、見た目とても小さくて簡単だと思います。
ところが製作図面を作成して少しずつ面倒な部分が見えてきました。
当然のことですがハブのサイズが前後輪とも異なり、後輪のほうが大きくなっています。ブレーキはドラム内径120mmくらいでシングルカム仕様のようです。ドラム冷却フインの肉厚を0.3mmに設定してやっとそれらしいバランスがとれました。
ブレーキレバー類は後輪スイングアームができてからの工作になります。


理由は対応パーツが小さすぎて05mmの位置誤りをすると「これじゃ動作しないね」と言うことになります。やはり現物合わせが一番確実だと判断しています。






前輪ハブ

モデルサイズで16mm径くらいのハブです。機械式片持ち型ディスクと呼べばいいのでしょうか円形のパットを手動レバーからワイヤーで直接スプリングを介して引っ張って摺動させるような複雑な構成になっています。したがってディスクの無い右側のハブはさらに1・5mmほど小さくなっています。
ブレーキシステムはFフォークと工作が連動します。またかなり難しそうな作業なので調子が乗ってから取り組みます。

Fインナーチューブまわり(下左写真)
ボトムケースは後回しにしてアルミ工作だけ先に終わらせました。

クリップハンドル(下右写真)
殆ど定番になっているクリップハンドルです。

前述のタイヤです。

念のためにノギスで幅を測ってみましたが、僅か07mmだけの違いでした。あるいは30年以上も経過しているので硬化して小さくなっているのかもしれません。捨てる神あれば何とやらで、比較的新しい後輪タイヤが1個出てきました。多分このサイズのタイヤは小排気量専用ですから古い後輪に新しい前輪を組み合わせた残りでしょう。結論すれば後輪が逆に大きくなったように感じます。最終的に後輪タイヤのサイドを少し削ることになるでしょう。
左側
旋盤で磨き出ししたC社のホイル

右側
昔から保存していた珍しい本間公俊さんのイラストです。何かの付録だったと思います。


ステアリングまわり


アッパープレート(左側)資料から判断するとかなりの傾斜です。スズキのジャンクパーツもありましたが形状が全く異なるので転用は諦めてプラ板3枚積層6mmから削り出しました。
ロアープレートは2mmプラ板から切り出し穴開けの位置合わせの段階です。市販SSですから余分な付属品を付けることになります。



フレームの工作(1)

写真左メインフレームのタンクライン部分です。
右側ダブルクレードルの下側部分です。フレーム用ロッドは2・2mmがジャストサイズですが2・5mmではやはり太すぎます。タミヤの2mmロッドは2・1mmプラスですから今回はこのロッドを使用しました。

フレームの工作(2)

2mmであってもタミヤ製のロッドはそれなりの強度があり、
フレームもはしっかりと組み付けができました。またこのレコードは先発のSSV4のシングルフレームから本格的なWクレードル構造の発展しています。モデラーとしては実車への想いと合わせて、工作精度が上げやすいメリットがあります。
今回も平面図面で見るとRがあるのは7か所です。思い切ってひと筆書きのように曲げてみましたがやはり失敗でした。再度、治具を使って部分的に曲げて5mmの洋白線を芯にして繋いでいます。リアスイングアームは未着手です。少し細めのチエーンがまだ確保できていません。

ガソリンタンク

このマシンの顔でもある直線と曲線を組み合わせとロングタンクです。タンクの高さがきわめて低いので容量を確保するためにタンク底部に大きな膨らみを持った構造です。フレームに隠れているのでわかりにくいのですがタンク単体の資料があって助かりました。3点並んでいますが右端はタンクキャップです。中央のパーツがタンク底部になります。



10月上旬から大急ぎ着手しました。作りやすいところからランダムにとか言いましたが未確認資料の関係で分かったところから工作開始が実態です。次回はディスクブレーキ、エンジンの部分まで進めたいと思っています。
 10月30日   エンジン・フロントフォークの工作 第1部2回
フェールタンク(前回の続き)

いつもタンク塗装が時間が足りなくなり不完全なままで先送りになって失敗しています。今回はエンジンに取り掛かる前に前回工作したタンクの下準備に塗装前の段階まで仕上げました。現在1200番のサフエーサーを軽く噴いて表面の完全乾燥を待っています。
シリンダーとヘッド(1)

毎回同じ工法ですが04mm05mmプラ板積層でシリンダーを作ります。
ヘッドは50ccにしてはやや面倒なフイン形状をしています。07mm05mmとの組み合わせで1枚づつ切り出して埋め込んでいきます。
シリンダーとヘッド(2)

上の工作の続きです。斜めに配されたフインの工作が少し手間がかかりました。点火プラグシートやヘッドボルトを組み付けて1000番のサフで下地塗装にしています。
実車でヘッドの幅は約13cmよくもこんな複雑な形状に?フインの高さからも当時の2ストエンジンの熱処理に対する試みの一端なのかと考えてしまうような部分でした。
クランクケースカバー

(写真上)左側ケースにはロゴの掘り込みがあります。15mmに縮小コピーしたマークを貼り付けカルコで点打ちして、そのあと極細ヤスリで仕上げました。
(写真左)右側ケースには楕円形のプレートがありますが、生産車では社名がレース仕様車でプレートがありません。 いずれにも対応できるよう無地のプレートを用意しました。
エンジン全体の構成

見てお分かりのように、左上のシリンダーブロック、右上のクランクケース(下から見たところです)左下はクランクケース右側、右下がクランクケース左側です。


写真の色合いに物凄くムラがあります。カメラは従来どおりSONYを使っていますが、パソコンのトラブルで機器を変えましたが写真取り込みソフトの関係でしょうか、あるいは新しいOSに不慣れで取扱いが違っているのかも知れません。
 
キャブレタ

デロルトSS24が75度くらい斜めに取り付けられています。そのためにフロートは別体ですが垂直に角度を変えてボデイに直付けされ一体型になっています。エァフアンネルをアルミ工作と挑戦しましたが届きませんでした。プラ素材を加工しました。追加する細かいパーツは未工作です。
排気管

途中工程は省略しました。本格的なチャンバーが採用されています。生産車も同様の形態ですがテールエンドが少し細く全体的にやや小ぶりでメッキ加工されています。多分キットパーツとして販売されていた部品の一つです。
レース仕様では容量も大きく黒色耐熱塗装が施されています。したがって取り付けもフレームからロッドを介したものやステップハンガーに直付もあります。全体バランスも考えると最後の楽しみしたいと思っています。
フロントフォーク

前輪にシングルディスクブレーキを採用のため50ccのボトムケースとは思えない頑丈な取り付けプレートが準備されています。ボトムケースは5mmロッドを旋盤で4・7mmまで削り、およその外径にと、くびれ部分0.6mmの段差を設けました。下の写真が大きくて分かりやすいでしょう。フォークメーカーは未確認です。インナーチューブは3.0mmのアルミパイプ(内径2mm)を使用しました。
フロントフォーク(2)

構造はとても複雑なスプリング併用の機械式ディスクブレーキです。さらに3点ほどの部品が追加されます。ディスク本体は摺動部分だけジャンクから転用、部品を追加して加工しています。



2週間経過した割には、たいして工作が進捗していません。
細かい部品つくりが続いて思った以上に時間を取りました。また、今年は地元でたくさんの作品展の開催が続いて出来るだけ見学させていただきました。出品された意欲的な作品を拝見すると「作るぞ」と気合いだけ空回りして、実際の作業はもたもたしています。
次回はフレームまわりの部品を追加して塗装作業まで考えていますが、某球団のCSの結果で左右されそうです。

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