OWNER GALLERY  #22
KREIDLER 50 1977年        プロターキットベース スクラッチ製作

 50ccクラスのロードレース世界選手権は1962年から1983年までの
22年間にわたり開催されました。1984年から排気量80ccが最小のクラスになるまでの期間、この小さなマシンは技術的にも多くの試練を受けながら1967年頃には、高度のメカや多気筒エンジンを搭載したマシンは、なんと出力18ps、リッター換算で360psの
パワーを搾り出すレベルまでに発展していました。しかしそんな高性能マシンに、50ccクラス発祥のヨーロッパ勢の反発もあって、
FIMは1969年以降のレギュレーションを「単気筒・6速・装備重量60kg」と定めました。
丁度、この時点で日本車のワークス活動は中止されて事も重なり、新しいルールは欧州勢に親しみやすく20車種以上の参加を数えることになります。そのなかで純粋のワークス体制で臨んだのはデルビ・クライドラー・ヤマティが代表でした。


    模型の世界でもプロターは、1975年だと記憶していますが、クライドラー72年型を発表しています。
   広島に社用で出張して、探していたクライドラーのキットを見つけた感激が時が今でも思い出されます。
   昨年末、プロヴィニ追悼作品展に72年型キットをベースに改造した作品を参考出品させていただきました。
   それが3台目のクライドラー製作になりましたが、実工作は4台つくっていたことになります。。
   少しくどい話になりますが、最初の1台は購入後すぐキットのまま72年型で製作しました。
   小さなホイルにスポークを組み付けて悦にいり、地元テレビ局の番組でも一席ぶってしまう有様でした。
   ところが魔のタイヤ侵食が始まっている事も知らず数年が経過、
   棚の奥にいたクライドラーは悲惨な結末になっていました。・・・・・・・・・・・・
   とりあえずジャンクBOXに入れて・・・そのまましばらく日の目を見ることがありませんでした。

 
1987年、バイカーステーション誌という当時とってもマニアックな月刊誌が発刊され、その年の12月号に
クライドラー77年型の詳細記事が小関和夫さんの解説つきで掲載されました。実物も見ていたのですが
これであるいは、溶けたタイヤのクライドラーが生き返るかもとその年に工作を開始したのですが・・・
そしてプロタージャパンのホームページに99年ごろ掲載した作品です。しかしこれもまたストックケースの
棚のなかでカビが発生、2度目の醜態を見せる始末。良しもう一度レストアをしようと思い
一部改修を加えて再掲載をいたしました。実はもう1台の72年クライドラーもタイヤが溶けて
います。これも併行作業で修復をしました。こちらは改修完了しだいこっそり写真を差し替えたいと思っています。

 
  左側面

キットからの使用部品はエンジンとフロントボトムケース・リヤサスくらいでしょうか。
20年以上前に塗装したメタリックGそのままです。少し退色しています。


シート下にはとても大きなパワーTRを露出させたCDIユニットがあります。早い時期からクライドラーのエレキ?システムは優れもので小排気量マシンの非力を支える役目を担っていたようです。
 
  右側面
72年型の三角形の特徴的なフレームは
一変して大径のパイプで構成するバックボーンフレームになっています。
キャストホイルと前後ディスクブレーキ採用で既に次世代軽量マシンを暗示させる
先鋭的なマシンに変貌しています。

写真下
きわめて複雑な曲線とスリムなタンク形状
をお見せするため。

上部からの写真
(素材はバルサ材を瞬間接着剤で固めて乾燥させほぼプラ材にような材質にしています。何故か経年変化もありません)
 
 
左上写真
コードトロンカと呼ばれそうな魅力的なシートカウル。60年代の無骨な機能本位のクライドラーから考えると凄い変化です。
写真横

新レギュレーション移行したときからバンビーンチームにワークス活動を依存したようです。タンクにはクライドラーロゴにかわってバンビーンのマークがあります。
シリンダー上部にある丸い部品は電動式のウォーターポンプです。

右下写真

水冷ラジエーターは72年型と比べると約40%の小さなサイズになっています。
 
  上左写真
50ccクラスの魅力は車体幅の狭さといっても過言ではありません。まるで1枚の板か、あるいは自転車のようにスリムです。既に排気音の規制になっていてサイレンサーが一体となった排気管がつけられています。

写真横
前輪部分、ホイルは最初からキットに付属していたスポークホイルのリム部分が溶けたので傷んだプラリムを慎重に削り取り少し厚めに瞬間接着剤でコーティングしています。完全に固形化してからスポーク部分をプラ板を左右から貼り合わせています。
既に製作後10有余年を経過していますが、今度は溶けません。今に思えばこれはクライドラーのプラ材質が最も影響を受けやすかったのでしょう。
しかし考え方の問題でトラブルがあったから77年型ができたのかも知れません。
 
最小排気量のマシンにはカウルを装備したいのですが、キットに付属している72年型とは微妙に形状が異なります。
昔、飛行機模型のプラスチック製キャノピーが気になり、ヒートプレスに挑戦して何度も失敗してきました。
スクリーン部分だけでなくカウルの曲面をどうやって成形し薄く仕上げるのか、考えただけで気が遠くなりそうです。
結局言い訳になりますがカウルの追加は断念、取り付けステーなども見送りました。
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