MODELING NOTE SPECIAL     PART 1
プロヴィニ追悼作品展 参考出品  KREIDLER 50 1964年 

プロター製キット使って追悼作品展に参考出品。実行委員長から
「プロヴィニがかかわったマシンにして下さいね」と。
先ずその候補を選定することからスタートしました。情報では委員会の皆さんの作品はおおかた決まっていて、かぶらないように
したい。そうなると次第に候補のマシンが少なくなり、結局のところ「プロターキット使用して、何とか改造作品で挑戦できるのは
クライドラー50cc1964年型」になってしまいました。このマシンは市販フローレットをベースにアンシャイトが乗って64年も
ウイナーに輝いています。どういう経緯か知る由もありませんがプロヴィニとルイジ・タベリがスポット参戦しています。マン島TTでは
仲良く?7位タベリ、8位プロヴィニのリザルトが残っているようです。
かなりマイナーなマシンですが私の好きな小排気量マシン。結構その気になって資料収集をはじめました。

しかし改造前提ですからクライドラーキットを使わなくてはなりません。プロターから1970年型水冷マシンを搭載した
クライドラー50が発売されています。このキットは貴重で市場にはほぼ残っていません。ある方からお譲り頂いた最期のキットを
とうとうベースに使ってしまいました。こんな使い方をしてしまってKKさんお許し下さい!



クライドラー50のキット全部品
1:12スケールかと思うような細かい繊細なパーツで構成されています
カウリングはオレンジ色で塗装済みでした。
完成すると見えなくなるエンジン内部の部品ピストン・クランクシャフトまでついてます。


大改造を試みるとき
改造作品の場合、目標にしている事は、キットのパーツをどれだけたくさん転用加工出来るかが課題になります。今回、資料と見比べながら使う部品と全く使わない部品を仕分けてみましたが、当初か随分無駄が出そうで気が重くなってきました。
いつでも入手できるキットであればある程度乱暴に考えるのですが、「何かもったいないなあー」と少し割り切れない気分でした。
フロントフォークまわりのパーツ

フォークブラケット上下はキットをそのまま転用
ボトムケースはアクスルシャフトが前方に
オフセットされているので穴埋めして転用。
F・フォークは磨き出し3mmアルミロッドに交換
クリップハンドルは新しくプラ棒から。
レバーはC社のGPタイプを加工しました。


写真左 キットから転用したブレーキパネル・ホイルハブ、ブレーキドラムは形状が異なるので追加工作です。
写真右 前回改造に失敗したC社36穴のリムをもう一度挑戦して巾1mm狭めて何とか50cc級タイヤにマッチさせ
     ることが出来ました.(これでタイヤが溶ける?そんな心配はなくなります

写真左曲面が全くない特徴的なガソリンタンク、1・5mm厚プラ板から張り合わせ。キットの排気膨張菅を利用して
     形状を整えてエキゾースト部分を新に作り足しています。エンドピースは2mmプラ棒から。

写真右キットのスイングアームに約2mm継ぎ足してホイルベースを確保。リヤショックはキットの部品をそのまま
     使えました。コイルは当然別巻きにします。
複雑な構造のトラスフレーム。2mmのプラロッドで組み立てています。今回の改造で最も時間がかかりました。タミヤのロッドは真円は出ているのですが口径にばらつきがあり、一袋のなかで2・08〜2・2mm程度狂いがあります。その中から最も細いもの選んで使いました。スイングアームピポットは2mm厚プラ板から切り出しています。


エンジンは深い冷却フインを持つ空冷単気筒です。03mmと05mmプラ板で組み上げています。2ストのシリンダーは何度も作っているのですが水平シリンダーは初めての挑戦でした。十字の方向にフインを正確にだすためにまるでパズルのような組み合わせをして組みます。
今回は手抜きなしでフインの枚数まで実車に合わせました。しかしやってみると、それなりに面白く水平シリンダー4ストなんか作りたくなりました。
クライドラーの資料については63年型は何とか探す事が出来ましたが、64年型は非常に少なくて困りました。
不老隊の松永隊長がどこからか完璧な写真資料を
「これでどうだ」と準備してくれました。資料はミッションの分解からクランクシャフトの形状まで判るスグレモノでした。
しかし完全資料もあるときは、あまりいい加減な事ができずに若干負担になるようです。資料のとおりに細かいパーツを作り足しました
特に、デユアルロータリーディスク(単気筒のクランクに16mmキャブで左右から送り込む)のためとても小さいデロルトキャブボデイやフロートを作る羽目になりました。


クラッチの形状もおむすび型です。02mmのプラ版を貼り合わせてボルトを埋め込み、緩み止めワイヤー加工をします。
樹脂製のエァフアンネルはジャンクからRC166用を加工して転用しています。
塗装作業前の組み上げたパーツをもう一度集めてみました。細かな製作部品は既に接着してまとめています。
部品点数はキットから見ると半分以下になっていますがよく見るとキットからの転用が少なくて改造作品とは呼びにくいものになっているようです。




2006年1月上旬に
PART2として完成写真を準備します。




プロヴィニ追悼展には代表的な写真4枚を・・・SPECIAL版ではクローズアップ写真を用意します
参考資料 クライドラー50 ワークス1964の戦績

USアメリカGP 
スペインGP
フランスGP
マン島TT
ダッチTT
ベルギーGP
西ドイツGP
東ドイツGP
アルスターGP
フインランドGP
イタリアGP
日本GP
         
4位
1位
2位
4位
4位
2位
4位

なし
なし
2位
なし
なし

この年、62年から参戦しているスズキチームが得点38点メーカーチャンピオンに輝き、ホンダチームも戦闘力をあげて31点で第2位になっています。続いてクライドラーが29点で第3位になっています。世界GP12戦のなかで8戦に参加、4位以上の入賞が8戦全てという事は驚異的な出来事だと思います。
当時の文献や記事に見られるようにクライドラーのマシンはきわめて独創性の高いもので、複雑な複合変速機を操れるのはアンシャイトしかいないと言われるくらい難しいもので軽量級の名手タベリやプロヴィニのテクニックをもってしてもスポット参戦では上位に位置することはなかったようです。
この年でクライドラーはワークス参戦を終わり、シーズン後半ではこのマシンをベースに、ユタ州ボンネビルで50ccの絶対記録達成に挑戦をしています。


GP戦績のライダーはすべてアンシャイトです。
トップページにもどる 参加コメントページにもどる PART2のページつづく