Modeling Note  EX  File 41
 ケミカルウッドで四輪TOYを CISITALIA D46  1946年 イタリア
   前回作品アルファ158で痛い思いをしておきながら またも分不相応な挑戦をしてしみました。
ありのまま申し上げると、製作予定の2輪レーサーの部品一部と資料がまだ揃っていません。左手の不自由もあって細かい部品つくりの面倒さにも少し戸惑いがあって若干製作意欲もそがれているのかも知れません。過去の経験からすると製作中断が続くと不器用な面が強くなり、それまでの折角の経験値が下がる結果につながるようです。私の場合、何でもいいから作る事、それを続けないと駄目ですね。
そんなことから「手を遊ばせないために」全く発想を変えて玩具に取り組んでみました。それも長年大事にしていたプラスチック素材を棚上げして「ケミカルウッド」素材を使って苦手の四輪フオーミュラカーです。工作テンポも把握できません。今回は工作ステップごとに不定期更新を致します。
 12月3日 第1回    玩具つくりのはじまり
素材の選択

選択と言えばとてもきれいに聞こえますが、友人から頂いたケミカルウッド(6X6X15cm)の切れ端が残っていました。前にガソリンタンクの素材に思いましたが重量と工作手順の問題で見送りました。そのあとモデリングノート15(ベントレー電気自動車レーサー)で掲載した可愛いボデイに使用しました。小さくて簡単な構造でしたからほぼルーターだけで容易に仕上げたと思っていました。しかしCウッドを素材にした経験はほぼゼロです。木工作業として工具を準備するか?失敗すれば多分この素材には手を出せなくなる。
それより何を作るのか・・・・余った素材の活用が優先、これはまた可笑しな話です。
(この時点ではとんでもない構想がありました。可愛いイタ車のチシタリアD46)

CISITALIA D46について

四輪音痴の私がマシン解説をするなど到底許されない事ですが、手持ちの資料の範囲で仕様を調べてみました。
エンジン 4気筒OHV 1089cc(FIAT社製))60hp/5800rpm 
      ZENITHダウンDキャブ一基 3段変速
車体   全長3000cm全幅1140cm全高1020cm
      重量370kg
      このマシンを1:24縮尺すると全長が125mmになります。
      ケミカルウッドが活用?できる。
1946年、戦乱が収まって間もない頃北イタリアのトリノで初めてのレースが開催され約20台のマシンが集合しました。その中にチシタリアという聞きなれないマシンが7台もありました。実業家P・デュジオが有名なFIATのD・ジアコーザ技師を1944年から自宅に招聘、レーサーの設計を託していました。物資の乏しい戦後、生産車の部品を使って当時では画期的なクロモリのパイプフレームで組立られ、このレースで優勝しました。
右上の写真は優勝を逃したが最高のドライバーと呼ばれたT・ヌボラーリー。独走態勢にいた彼のマシンのステアリングホイールが外れ、ヌボラーリは左手で付け根を回し右手でハンドルを掲げ力走するがリタイアをしています。
P・デュジオのレースに注ぐ情熱は翌47年ミッレ・ミリアにも参戦しますが後一歩で優勝を逃がします。
木工に必要な工具を探し出しました。

懐かしい彫刻刀多分、娘が学校の工作で使っていた物です。片仮名ネームが大笑いです。

ルーターのピットもこれ位でしょう。
 12月6日  第2回 工作のねらいと追加部品
作品完成のポイントはあくまでも木製玩具の雰囲気でチシタリアを表現できればと思っていました。が、SLOTレースのジャンク箱からワイヤホイルがでてきました。当初はタイヤも木工で丸棒を準備しましたが、新しく細見のタイヤまで見つかり、全部木工の信念は敢えなくつぶれました。40〜50年前にかなり高額で購入して使わずお蔵入りしていた部品にチャンスを与える・・・(実はニッケル製で重くバランスが取りにくくスロット競技では使えませんでした)しかしこれで工作の大半が終わったようなものです。

タイヤは1:24ストックカー用でグッドイヤーマーク、当然形状を含めて修正加工の必要があります。

左下 用意したタイヤ用丸材(旋盤加工が出来なかった)
見つけ出した後輪用3mmシャフト。
しかしタップがインチでした。新たにダイスを購入、あまり使う事のない工具で出費が重なります。


ワンノックナットも出てきました。
工具の追加

丸棒を手にしたとき、木工はそう簡単にいかない事が何となく分かってきました。少年の頃竹トンボを作ってうまく飛ばなかった記憶が甦ってきました。
ルーターに頼るだけでなく小刀や鉋も必要になるかも知れないと、普段使わない工具箱から写真の道具を取り出して準備しました。


小型鉋 随分昔に購入した代物でどんな工作に使ったのか、もう覚えていません。
 12月10日 第3回      ボデイつくり
ケミカルウッド2回目の挑戦

やはり人工木材です。木目が無いのでどの方向からも容易に工具が使えます。先ず小型の鋸で墨出しした矩形材料からおおかたの形を切り出します。
この素材は手動の鋸ではあまりうまく切れません。ともかく強引に手持ち工具総動員してそれらしき原型を切りだしました。
この後、図面と引き合わせながら、ルーターの丸鋸で少しずつ角を切り取り、更にサンダービットを使って全体の丸みを出しながら大方のシルエットを検討します。繊維の無い木質ですから削り滓が微粉です。
PM2・5どころ騒ぎではありません。相当量の粉が部屋中至るところに積もっています。大事な物には覆いを、そしてマスク3枚重ねの作業が必要です。
経験が少ないのでこの段階まで延べ7時間を要しました。

表面が弱く、簡単に引き傷が出ます。180番サンドペーパーで慣らして一旦区切りをつけています。
ボデイ曲線部分の工作

ノギスで左右の均等その他を確認してから、チシタリア独特のボデイ曲線を削り出します。予め彫刻刀の半丸であらましのボデイラインを形つくりその後、ルータに変形円錐チップと6mmチップ、サンドペーパー240番でじっくり仕上げていきます。

ラジエーターグリルの切り込みは、外縁に筋彫りした後で彫刻刀で時間をかけて平らに切り取りました。
手が滑ると簡単に円周部分が欠けます。
瞬間接着材で補修?今回それは禁句で考えないようにしました。
手抜き用工具?

ワイヤーホイルの使用を決めて喜んでいましたが、そのためにスポークの奥のブレーキドラムが丸見えの状態になります。本来TOY感覚のつもりだったのが逆にそんなところにこだわりを見せるもいかがと・・・・・なんだかホイルの活用ありきになりそうです。結局ホイル周りだけはリアルにつくる。二輪の場合のドラムは径が大きいのでサークルカッターで切り出して貼り合わせの手順ですが、今回1:24スケールで随分小さくなります。
12mmと10mmのポンチで打ち抜きで手抜き工作をしました。05mmプラ板まではきれいに抜けます。ポイントは大型のハンマーで一気にたたくことです。(台座は樹脂製まな板を使用)
写真左

打ち抜きで出来た大小の円盤を貼り合わせた状態です。前後同一サイズです。


写真右

更に4枚積層にして冷却孔もどきの処理をして、スポークの奥に見える色合いを試しながら塗装をすませました。
 12月14日  第4回  ボデイつくりの続き
ボデイ側面前方から

粗仕上げのボデイを更に削り込みをして独特の曲線を確認します。TOY感覚と言ってもあまりにも実車とかけ離れたフォルムになってはいけません。しかし1:24スケールで全長130mmほどの小さなものですから、逆に若干のデフォルメが必要です。少し小太りでふっくらとした感じにしています。

すでに風防、シート部分も彫刻刀で掘り込みを済ませています。
4気筒ですが何故か排気管の出口は3個しかありません。2番と3番の排気孔はシリンダー直近で1本にまとめられていました。

ボデイ側面後方から

特徴的な前輪アーム上下もCウッド端材を削り出して取り付けました。当然付け根部分も可動するのですが、写真資料で見る限り殆ど密着状態に見えるので真鍮線芯材を介して接着固定をしています。

この作業で課題になったのは、前後輪の車軸の位置決めでした。鉛筆の芯を鋭くしてミリ以下のマークをつけ仮決めを何度もくりかえしました。
サスペンション機構は当時としては先進的なボデイ内部に収納されている形式で手抜きが出来て助かりました


ボデイ真横から
この段階でクリヤーを軽く吹いてボデイの傷入り防止tしています。

デカルの製作
木製玩具と決めつけてもやはりマークは必要です。早めに準備しました。少し経験して分かったのですがベーススプレーは少量にして、仕上げクリヤーを厚めにした方がきれいだと思います。
排気管とバックミラー

木製玩具となればその他の小さな部品もCウッドで作ると、ナイフのお世話になりました。慣れない作業でたくさんの時間を費やしました。
デカル赤部分の色合わせもあってミラー左用は塗装してみました。

排気管は約3mm径です。
厚みはこれが限度でしょう、Cウッドは細かくなると脆弱で簡単に割れたり折損します。
修正したタイヤとホイル

グッドイヤーの文字やサイズマークを削り落としタイヤ幅を少し細めにして、更に丸みを付けました。

ホイルは旋盤で少し幅を狭めて薄くし一応研磨しています。センターロックもブラッシングでピカピカになりました。
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