MODELING NOTE  File 35
 
 BENELLI 1959年 250cc単気筒 GP RACER       連載5回予定    FULL SCRACH MODEL
ベネリ4気筒が有名過ぎて250シングルの資料はあまりありません。断片的なもの集めて補完しています。左はT・プロヴィニがベネリをライデイングした珍しい写真です。
まだ方眼紙を使っています

前回お伝えしたように写真資料や図面とは別にA4の方眼紙に工作部品の寸法を割り出しをしたり、およその立体スケッチを書き込んでいます。前半の作業のなか、工作台で活躍するのは電卓とノギスと三角定規が多いように思います。模型つくりというより受験勉強みたいに工作と倂行してどんどん方眼紙メモ(自分だけが認識している工作補助資料)が溜まっていきます。ところが思いついた時に記入した数値が何のものだったのか、分からなくなってしまうことが始終あります。ですから子供のように絵を書いて内寸は矢印を入れたりしていますが、それでも計算ミス(機器は正しい)いわゆる入力ミスも出ます。予定した工程表と一致しない原因の一部になっているかも知れません。

 12月7日   かなり?前進しました 第3回
フレームの工作(1)

一般的にWクレードルフレームは、タンクライン下部とエンジン下部のラインがほぼ同じラインで並ぶのが大半ですが、このフレームはステアリングヘッドからリヤサス支点まで14度くらい傾斜しています。実車写真でも分かりますがシートにサブフレームを付けてタンクラインと合わせて持ち上げている不思議な構造を採用しています。
模型の世界では、プラロッドを使っています。平面図に合わせてRの部分だけを曲げ加工をして個別に工作をします。材料は2・4mmパイプを使用(内径1・2mm)します。直線部分で芯材(1・2mm銅線)を入れて接続します。接続断面を正確にすりあわせておくと継ぎ目を見落とすくらいキチンと収まります。
接着前の仮組みの段階で細かな角度合わせが容易です。ただし肉厚の関係で強度が不足です。
フレームの工作(2)

あらかじめ仮組をして微調整を済ませて接着しますが、材質がプラパイプで熱加工したものですから時間経過と共に少し元に戻ろう?という事があります。完全接着したけど少し狂っているという結果も過去何度もあります。少し面倒な作業ですか1・2mmの亜鉛盤を定盤にして正確な接着を待つようにしています。(精度を上げるためダミーのチャンネル追加)

写真下2枚 基本フレームです。シート下のダウンチューブは異型断面であとから大きいプラ材を被せて工作しています。当初簡単に考えていたのですが、実際はとても作りにくいフレームです。後輪Sアーム、リヤサスなど少し見えにくい部分もあって逡巡しています。
プラ板の圧着工作

製作記事のなかで8mm厚のプラ板とか書き込みしていますが、実際は各メーカーとの組み合わせ(貼り合わせ)をしています。海外メーカーはミリ表示ですが微妙に違いがあるようです。またそれでいろんな組み合わせが可能になります。但し工作は圧着しないと厚みに変化が出ます。前述の定盤に素材を合わせて接着材を薄く塗り20時間程度圧力をかけておきます。あまり薄いモノは素材が溶けてダメになります。3枚の組み合わせまで広がるとほぼ必要なプラ板は揃えることが可能で、特にシリンダーフインなどの設定では便利です。

使用しているバイス(60年)が汚いのであまり説得力がありませんね・・・・・
シリンダー(1)

久しぶりに4ストローク丸型のシリンダーで嬉しくなりました。
工作は簡単です。フインは05mm厚、スペーサーは07mm厚を使って6枚の構成です。(07mm厚はタミヤ3mm、EG4mm厚を)バランスよく縮尺数値に収まりました。

円形工作はルーターと紙ヤスリで仕上げています。実車の場合、フイン先端を面取りしてものが多いのですが、1:9スケールの時、あまりエッジが鋭く出ていると若干の違和感が否めません。少しダルな下地仕上げが・・・勿論マシン、エンジンによって表現も異なりますので何とも言えません。
シリンダー(2)

シリンダーヘッドの素材です。
フインは05mm厚、スペーサー08mm厚です。ヘッドとシリンダーではフインの間隔が違うので当初1mmで設定しましたが全高はともかくバランスが悪く、僅か01mmですが変更しました。素材はタミヤ03、05mmが適切です(接着後で8・5mmくらいあって想定した数値に近くなりました)

いろんな穴がマーキング用に空けてあります。オーバル形状の場合1箇所合わせで接着すると最後に微妙に狂って固まっています。ガイドピン2本で正確を期しています。
ブレーキパネル

大きな空気取り入れ口がついたパネルです。レバー類も複雑でしかもW、ともかく着手して考えようと下ごしらえをして軽く銀塗装をしてみました。結果、基本工作の雑な部分だけ浮き彫りになりました。
フロント半完成部分

前述の失敗を修正して前輪の仮組みです。フエンダーは未塗装で組み付けていません。
何とか形がつきそうでホッとしています。
これ何?

タンクキャップです。何とか既製のイタリアンで代替を考えて資料の裏付けを探しました。しかし全部この形状ばかりです。
困ったら松永隊長に電話。回答は「前開きヒンジに凹の形状ですよ。作ればいいでしょう」・・・・直径7mmのキャップに溝切りして開閉ヒンジを、残念ながらそんな工作技術は持ち合わせていません。思い切ってこれだけに丸一日費やした見ようと挑戦した恥ずかしいシロモノです。

実質5時間程度かかりました。
クランクケース

基本フレームができると土台部分のクランクケースをまとめないと他の工作が進みません。気分転換も含めてプラ板切断削り作業に移行しました。
ケース左側です。こちらは大きな乾式クラッチが露出して取り付けてあるだけです。8本のボルト穴がありますが、全てマイナスボルトを埋め込みます。直径1mmのアルミロッドを使ってボルトの製作をします。ボルト穴表面は面取りをして1・2mmまで拡げています。

ケース右側はカムギアケースとの関係でとんでもない作業が待っています。難しい事は先送り。年令と共に考えはいとも簡単に変わるものですね。
ガソリンタンク

製作図面段階でプラ素材を貼り合わせて完全接着を待っていました。ベネリシングルのタンクは細くて薄く、シリンダーヘッドの切り込みなどがありきわめて小型です。工作の自由度と最終形状のらしさ表現を容易にすためにソリッド素材にしています。削りだし、粗仕上げ、サフ吹き付けの段階です。
フレームにエンジンを架装してシートを付けて、そのあとエンジンヘッドのクリアランスを見ながら相応の削り込みをして仕上げる。そんな手順を考えています。
中心窪みには何か適当なラバーパットを用意しないと、こんなことが意外に時間を取り、あまりいい結果がでないことが多いようです。
ハンドル完成品

レバー形状が実車とは若干異なります。C社GPレバーが品切れでやむ得ず鉄レバーを改造して転用しています。デュアルワイヤーの金具が独特です。最初プラで準備しましたが、まわり金属で今一つなじまないので、アルミロッドから削りだしてみました。苦労の割にはあまり意味なしで、ただのスチール製で「それがどうしたの」と言われそうなことでした。

タコメーター2個


今回、250四気筒も併せて改修しています。手間が一緒?まとめて工作しました。左が単気筒用(針が長い)右が四気筒です。ケースはアルミパイプ材から切り出して旋盤で削り仕上げています。長年パネルご提供下さるSさんに今回は合格点がいただけるかも知れません。


ポイントになる主要部品の工作が60%くらい進みました。残り少し手ごわい部品つくりも待っていますが何とか見通しがついたようです。流行語で言えば「近いうちに」完成させます。
気象異変で極寒が続きそうです。風邪にご注意ください。

                      
                                柴田 一彌

 12月19日 エンジンを集中工作 第4回
ガソリンタンクの成型加工

当初予定していたソリッド素材で成型の手軽さを選択したのは間違いでした。シリンダーヘッド部分が大きくタンクの中に残ったような感じになります。部分的に削って収まる仕上げと安易な方法でのぞみましたが、やはりそう簡単ではありません。視る角度が変わるとタンクの立体感が消えて、レーシングマシンの顔とか言ってる自説と真逆の事になりました。
資料不足で確定ではありませんが、現在わかった範囲まで底面を作っています。しかしルーターで後から掘るような工作は大変です。最初タンク素材の断片から考慮しておくべきだした。時間を取られプラ削り滓をたくさん被っています。

注・タンク底部のセンターレール溝は実車ではもっと浅い凹みでです。
クランクサイドケース

写真左 クラッチデスク側、実はクラッチ本体はジャンクにしていた2504気筒から移植して、加工しています。よくエンジンの部品が残っていたのか不思議なくらいです。素材はプラ板5mm厚を使用しています。

写真右 ダイナモ側 素材はプラ板6mm、5mm厚を使用しています。
左側ケース(6mm)で説明を加えますと

大きなボルト穴がたくさんあって変に感じられるでしょう。小さい穴は1mm径で0・5程落ち込みのマイナス頭ボルトがつきます。またネジ位置が傾斜している場所と軽く面取りをしていますから少し大きく見えます。既にプラロッドでマイナスボルトは工作済で完成状態も大丈夫と思っています。真ん中にある二つの突起はクラッチアームの支点で、その上のの穴はノックピンがつくようになります。

右側ケース(5mm)半月型
小さい穴は左と同様のネジ穴です。右隅の大きな2個の穴はオイルポンプ用です。配管にビニールチューブを使用するとプラセメント接着だけでは時間が経過した時ねじれて外れる事があります。位置決めや工作精度も考えると必要な処置を予めやっておくほうが安心と、それだけの事です。

シリンダーとカムケース

右側シリンダーとヘッド、前回のフインを組み合わせてモノです。(削り滓も取らずに写真撮りしたので汚い。私のデジカメこんな時に威力発揮して表現力豊かです)
カムケース、独特の形状ですから3mm厚のプラ板を糸鋸で切り出してナイフと紙ヤスリで粗仕上げをしました。取り付けボルトは平頭のマイナスで約0・9mmです。1・2mmの穴をあけて、プラロッドを表面から0・3mm外出しして埋め込んでいます。そのロッドに0・9mmの穴をあけて、アルミロッドを加工したボルトを打ち込みます。T型両端上部の穴は何故か突起しています。こんな工作は少し面倒で意外に難しいと思いました。
カムケース(2)

特に説明はありません。前述の状態です。ボルトはエンジン塗装が済んで締め込み?ます。

その他の切り出したプラ素材はヘッドまわりに必要な部品の一部です。同じような部品の場合、一緒に作っておいて後で加工すれば楽だ。こんな発想です。ところがこれは意外に落とし穴があって決して効率的ではありません。
エンジン右側およその全体像

少し形が見えてくると、完成予想が頭の中を駆け回る、そうしますと未完成の部品をくっつけて、ああでもないこうでもないとお遊びの世界に一人歩きをしています。模型つくりで一番充実した時間と言ええばこの想定空間にいる時かも知れません。
カム台座の追加

先程登場のプラ素材断片と併せてフインを組み合わせてヘッドにカム台座を追加しました。
バルブスプリングは露出型ですが、模型工作としては埋め込み部分の彫り込みに時間を要しました。スプリングは色と質感の問題もありある商品を4個買って取り外す予定で用意しました。
エンジン仮組(左側)

粗仕上げの状態で1000番サフを吹いて状況確認の状態です。
エンジン仮組(斜め前から)

カム台座にも冷却フインがあります。
回転計の取り出しは排気側カムシャフトからです。
エンジン仮組(右側)

中心部分にある白いプラ板は、コタクトブレーカーのカバーです。抑えに平板のバネがつきます。

キャブレーターはデロルトSS型特製のようです。工作過程の写真撮りを忘れていました。
プラグキャップと黒黃コード

プラグキャップはごく普通の汎用タイプです。黒黃コードはイタリア車に多く使われているような話がありますが、あまりよく分かりません。たまたま余分に残っていたので今回活用?してみようと写真撮りしてみました。
製作記事としてはあまり意味ないですね。




オイルタンク

左側 2mmプラ板5枚の積層です。
プラセメメントで2週間圧着していましたがプラもこの厚さになると加工が大変でした。

右側は素材を更に成型した段階で未完成です。
ここで難題が出てきましたタンクキャップが特殊な形状でマイナス凹みになっています。とりあえず改めて考えようと先送りしています。
リァサスペンションの部品

エンジンがほぼ見通しがついたので次の残った作業はリァサスとなりました。一応平面図に合わせて部品の切り出しをして準備をしたところです。




年内完成と大見得を切っていましたが、考えると2週間しかありません。今年の流行語の「近いうちに」に変えた方がいいかなというところです。おそらく塗装が出来ないだろうと思います。ともかく年内詰められるところまで頑張ってみます。
                                  柴田 一彌



 1月6日  お正月から部品塗装 第5回 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
デカルの製作(1)

年末年始やはり家庭それぞれ事情があってプラモつくりに没頭することは出来ません。ともかく少しでも詰めようと完成部品の塗装を考えました。下ごしらえと称する前工作でデカルを忘れていました。キットからコピーしてOKと簡単の思っていましたが、250フォアのタンクマークはサイズ・色が全く別物でした。そのまま転用はやはり問題です。マーク原本は第1回のカットに使用した写真を使ってサイズは5段階に分けて準備しました。インクジエット用デカル用紙は説明書通りになかなかうまく運びません。ベーススプレーは量と加減、時間で大きく変わるようです。印刷サイズはA6(ハガキ大)です。
デカルの製作(2)

ご存じのようにデカル用紙は、下地が透明と白があります。白地はごく普通の印刷が可能ですが切り取りが難しいのです。
特にベネリのような月桂冠の葉で囲っている場合、赤いタンクには私の技量では到底無理です。しかし透明用紙の場合、当然白色は発色しません。BENELLIのロゴは白ですからまず下地用に白のデカルを貼っておきました。これも慌てると下地がずれたり、そのうちに透明の印刷が少しづつ色が薄くなったり
けっこう面倒です。2個しか使わないのにたくさんのプリント、実は失敗対策です。
ガソリンタンク

やっとデカルを所定位置に貼り付けたところです。
すでにタンクキャップ、スポンジ、エァー抜きなどは別部品で工作済です。
フレーム

基本フレームはほぼ間違いないと思っていますが、問題はシートの取り付けです。本来フレーム自体が後方に向かって緩やかに傾斜しています。そのままシートが付けられるとかなり低い位置に、後ろ下がりの姿勢になります。実車ではステーを使ってフレーム後端から持ち上げています。ステーの形状が把握できていません。シートを付けてボルト留めをすると外見では全く同じなのですが、やはり気になる部分です。
シート完成品

今回はシートクッション部分4気筒から転用したのでカウル工作だけに集中できました。
今まで気づかなかった事ですが、気温が下がり乾燥状態が続くと塗装が綺麗に仕上がるようです。
フロントフエンダー

オイルタンク
キャップの工作がポイントでした。
ゼッケンプレートとステー

当時の250ccライト級のグリーン色のプレート
ステーは真鍮ロッドに03mm真鍮版の組み合わせです。
アルミ加工部品

前回トーハツ50ccで工作したアルミカウルから金属素材の活用を考えました。ホルツのアルミ磨きで仕上げると意外にピカピカに輝き驚いています。
左上からバッテリーケース、回転計ステー、左下ブレーキペタル、シフトレバーです。


エンジン塗装(1)

前回サフ仕上げのエンジン本体に塗装をしました。
ミッションケースだけ耐熱塗装が施されています。
エンジン塗装(2)

クランクケースはサンドバフ仕上げなのですが、表面のざらつき感を強めるとスケール感が消えてしまい最終的には500番サフを吹いて塗料側ではマット溶剤ソフトと粗めを1:1にして調整しましたが満足のいく結果は出ていません。
部品の集合

久しぶりに部品大集合をかけました。今回は全て塗装済ですから綺麗です。
失敗はこれまでたくさん出ていますから仮組なしで大丈夫でしょう。クリヤー塗装を済ませたら完成になります。次回が完成写真で最終回になります。

忘れ物 排気管の工作を忘れています。困りました。

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