東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます
Modeling note        file 27
 AJS 7R 350cc  1949      連載3部予定
       14 july 1949 Dutch TT    Reg Armstrong 7R leading  
 針葉樹林で覆われたトンネルような長いストレートから緩やかなコーナーにむけてバンクするトップグループ。
 クローズドサーキットでのロードレースとは全く別の競技のように感じますが、二輪コンペティションの原点が見えるようなシーンです。  
      








第2次世界大戦が終了して4年、1949年から世界選手権はスタートしています。AJSはチエーン駆動カム単気筒350ccに執着し48年に市販レーサー7Rを発売。16回の銀レプリカを獲得しました。これは求めやすい価格、非常に簡潔でメンテナスが容易ななエンジン設計、著名ライダーからアマチュアまで幅広く売り渡されてしかも10年以上の期間にわたって戦闘力を維持し、多気筒マシンとあるときは互角に戦ったことでしょう。世界中で市販レーサーと言えばマンクスとAJSがあげられるように名車であることに間違いないでしょう。
これはジャンク?
これは模型店ホビーボックスのガレージセールで購入したプロターAJS7Rのキットです。ある段階まで組み立てられ、途中から面倒になって作らず仕舞のまま。そのうちに部品が紛失したりして・・・・未練はあるけど部品を新たに作ってまで、それなら適価で誰かに譲る。(この経緯は私の想像)残念なことにランナーから切り取りそのまま接着してありバリ修正もやりにくい状態だったので、棚の上にストック、部品取りにでもとそのままにしていました。

今回このジャンクキットを使って、市販レーサーの先駆車7Rに挑戦してみることにしました。レーシングマシンとしてみるとき英車はあまりにも古典的で伝統を重んじる、悪く言えば進化が無い。そんなことで私自身も敬遠気味でした。したがってもう一度マシンを良く知ることが必要でした。ともかく調べるからスタートしました。
前回作のヤマハYDSの製作段階で少しずつ資料調べの準備をしていました。左のモノクロ写真はほぼ図面に近いものでプロターキットのとの検証用に使いました。キットのフレームは超合金?製ですから変形も無く全ての部分で誤差はありませんでした。基本のフレームが確定すると工作の手順も大きく変わりとても楽に作業を進めることが出来ます。あとはひとつひとつのパーツの違いと転用可能品を見つけるか。これは意外に線引きの判断が難しいのです。

下の写真は参考にした資料写真の一部です。
調べていく作業のなかで次々と意外な発見をして喜んだり大変な工作になるぞと悲鳴を上げたりして、準備段階から簡単に進まない予感、いいえ実感でした。
Mウォーカーのレーシングマシンシリーズで英車だけ未購入でした。昨年末円高で値下がりしたので取り寄せました。

この写真が製作モデルになるマシンです。
レストアされて、英国のGEデューク記念館に展示されているそうですが確認できていません。当時の排気量クラスを示すゼッケンのブルーが新鮮です。
 3月25日           主要部品をまとめる(1)        第1回

シリンダーとヘッド
プロター7Rのキットはとても良く出来ています。シリンダーフインも1枚づつ貼り合わせていく方法ですが、残念なことに厚みが07mmもありフインの枚数も実車より少なくなっています。今回更にフイン先端部分も未処理のまま接着済みだったので、写真左のように新たに作りました。勿論形状も比較写真で分かりますように若干キットとは異なりますから作り直す必要もありました。このキットの唯一の弱みはシリンダーとヘッドのアンバランスです。ストレートにボーイズレーサーを組み上げるときも同様に手直しを入れたいポイント部分です。フインは04mmスペース部分05mmの組み合わせです。

クランクケースの変更(写真下3枚参考)
クランクケースの補強リブがキットと異なりますから、側面を一旦ルーターで落とし、1・6mm半丸ロッドを作り順次貼り付けて最終サフ仕上げを済ませたところです。

 左から
 1、キットの状態
 2、変更部分
 3、サフ仕上げ状態
クラッチの変更

キットのクラッチ3SPタイプです。実車は5SPの扁平強化タイプです。ここではカバーを張り替えたりせずに、新しく作りました。2mmプラ板
03mmプラ板に1mmロッドでマイナスボルトを彫りこみ作り上げました。未塗装なので分かりにくいと思います。

ホイルカバー左側

同じAJS7Rでも初期型と後期タイプでは使用部品がいろいろと違いが出てきます。これは左側ホイルカバーですが見てお分かりのように左側がキットパーツ。右が実車の部品です。この場合はフインを追加ではなく、冷却用に丸い通風孔を設けるだけですからとても楽な工作です。
このあと最も苦手なフレーム修正がありますがそれは次回に。



今回製作に着手した時に東日本大震災が発生、未曾有の出来事のなかで模型つくりなどひんしゅくだなと自粛していましたが、震災も何とか峠を越えたようですから本日から再開しました。ご理解ください。                
                            
 柴田一彌
 3月31日    主要部品のまとめる(2)         第2回
キャブレタ
キットのキャブレタはとても良く出来ています殆ど手を入れる部分はありませんがファンネルの内側だけ削り込みしています。切断して加工が容易です。キャブ本体とマニホルドの間にガスケットを入れました。

フレームの修正(下写真2枚)
すでにフレームは接着済で、バリ取りを考えて解体に挑戦しましたがびくともしません。
修正の必要な所はリヤサスの位置が変わりフレームのエンドも僅かに短くなっています。また1次チエーンカバーの取り付けラグも不要です。いつもはプラ素材加工の簡単さに頼って、ダイキャストの硬さに困りました。
今回は塗装まで終わらせました。
フロントフエンダー

キットの部品が使えると思っていましたが、見当違いでした。基本的に同一なのですがボーイズレーサーはショートフエンダーでした。
フエンダーステーを強調するためにフエンダーに大きな切込みを入れてメッキパーツで被せるような構造になっています。
先ず不足する全長10mmを中間に継ぎ足して、更に切り欠き部分にプラ板を埋め込むと言うきわめて乱暴な手法で修正しています。
あえて見苦しい途中段階を掲載させていただきました。プラ板の炙りには相当慣れたと思っていましたが3次曲面はそう簡単に運びません最終的に瞬間接着剤とパテで強引に固めています。


写真左
フエンダーの塗装済の状態です。(ステーは未加工)


リヤサスペンション(写真下2枚)
キット付属のサスは大径のショートスプリングですが、49年型は小径でロングスプリングのサスです。手を加えるより新たに作ったほうが速いと思いましたが、カバー素材でそれなり時間はかかりました。
左からキットの部品
次が新たに作ったサス
右が完成した部品
(上部取り付けブラに栓が付けられているのですが何であるかまだ分かりません)
ゼッケンプレート
黒い色ばかりが続いているので気分転換にゼッケンプレートを作ってみました(キット付属のプレート厚みが1・2mmもあり、射出用のピンの跡が残って修正が難しい。また楕円がお結びのような形も少しチグハグ)
04mmプラ板の外側にリブを貼り付けるだけです。08mm程度の仕上がりになります。
リブ材はP社製の半丸08mmロッドを使っています。


ロングシート(写真下)
レザー張り(何度か挑戦しましたが上手く出来ません)プラ板で加工しています。縫い目の玉縁は05mmロッドを引き回しています。500番のサフを3回、生乾きのうちに重ね吹きをして少しザラツキ感が残るような感じにします。しかし本物の皮の感覚には程遠い仕上がりですが・・・・・・・・・・・
ステアリングまわり

クリップハンドルが使われていません。バーハンドルのトップブリッジを新たに作りました。ハンドルはアルミ2mmロッド予定しているので取り付け方法もネジ留にしました。アンダーはキットから転用、ダンパー部分の追加をします。

さて、ここまで順調に進んできたのですが、Fフォークで逡巡しています。市販車と同じスチールのフルカバーでした。構造的には難しい工作を強いられるようです。現在その部分だけの組立て図を書いて、ああでもないこうでもないと楽しんで?います。

次回はFフォーク、エンジン、ガスタンクくらいまでまとめたいと思っています。
        
            柴田一彌
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